仮想通貨の人気を測る物差しは、時価総額だけではない。別の尺度を使うと、その通貨の新たな側面も見えてくる。
例えば、アクティブ・ウォレット・アドレスの数。アクティブ・アドレスとは、過去24時間に仮想通貨取引に使われたアドレスのことだ。
そこでLongHashは、時価総額トップ5の仮想通貨、すなわちビットコイン(BTC)、XRP、ビットコインキャッシュ(BTH)、イーサリアム(ETH)、EOSのアクティブ・アドレス数をそれぞれ調べてみた。
アクティブ・ウォレット・アドレスの数を見ると、その仮想通貨の「客足」を知ることができる。どのくらいその通貨の取引が賑わっているかわかるわけだ。
さっそく5つの仮想通貨のアクティブ・アドレス数の7日間平均を見てみると、ビットコインが59万2090と、断トツの第1位だった。ここ半年の弱気相場でも、毎日40万〜80万のアドレスが取引をしていた計算になる。
ビットコインは時価総額のナンバーワンで、世間一般での知名度でもナンバーワン、そしてアクティブ・ウォレット・アドレスの数でもナンバーワンというわけだ。
だが、ビットコイン以外の仮想通貨を見てみると順位に異変があらわれる。例えば、XRPは時価総額ではイーサリアムを上回るが、アクティブ・アドレス数ではイーサリアムを大きく下回る。
イーサリアムのアクティブ・アドレス数の7日間平均は21万6482だったのに対して、XRPはたった5204と5つの通貨の中で最低だった。イーサリアムの次にアクティブ・アドレスが多かったのはビットコインキャッシュで、1万9713だった。
EOSは、イーサリアムのような分散型アプリケーションのプラットフォームを目指しており、その取引の多くは必ずしも金融取引の性格を持たない。そのせいかアクティブ・アドレス数もちょっと変わった動きをしている。
EOSのアクティブ・アドレス数はときどき著しく高くなる。1月半ば過ぎの7日間平均は6万3326と比較的低調だった。
仮想通貨をたった1つの尺度で定量化することはできないが、アクティブ・ウォレット・アドレス数は主要通貨がどのくらい活発に取引されているかを垣間見ることができる。
(記事提供:LongHash)
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