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リアルセキュリティーは成長市場、急浮上「警備保障関連」本命と穴株 <株探トップ特集>

―ラグビーW杯・五輪とビッグイベント目白押し、存在価値と収益機会にスポットライトが当たる時―

 トランプ米大統領が来日している。まさに戒厳態勢の東京だが、そこで改めて「警備保障関連株 」に注目してみたい。振り返れば、昨年の伊勢志摩サミットで注目された警備保障関連株だが、株価は堅調とはいえ、ここ株式市場のテーマからは蚊帳の外といった状況だ。しかし、東京オリンピックが開催まで1000日を切り、さらに今月2日には2019年に開催されるラグビーワールドカップ日本大会の試合日程が発表、世界的大イベントに向けての動きが活発化するなか、今後セキュリティーに関連する銘柄に再びスポットライトが当たるのは必然ともいえる。近づく数々の大イベントを前に警備保障関連株の現状と今後の展開を追った。

●五輪は民間ガードマン1万4000人必要

 ここ東京株式市場は、企業の好業績などを背景として歴史的な連騰記録をみせるなど絶好調。話題に上るテーマの中心は、相変わらず半導体や仮想通貨に人工知能(AI)、そして“安倍1強”に関わる政策関連といったところだろうか。そうしたなか、19年のラグビーワールドカップ、20年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、それに伴う多くのイベントも予定されており、警備保障関連株を巡る活躍の舞台は広がりを見せていくことになる。

 昨年12月に、東京都が発表した「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における業務と経費について」によると、警察官2万1000人に加え、「民間ガードマンによる警備1万4000人」が必要になるとしている。五輪の前年には、ラグビーW杯もあり、警備保障会社にとっては大きな収益獲得の機会となることはいうまでもない。

 準大手証券のストラテジストは「サイバーセキュリティーと並び、日常空間での“リアルセキュリティー”も成長市場として注目できると考えている。北朝鮮問題など地政学リスクが常に意識される状況下、安全はタダでは買えないというのが今のグローバルスタンダードだ。(五輪など控え)警備会社の存在価値は今後高まることは必至で、これは請け負う側とすれば収益機会の拡大を意味する」という。

 警備保障関連の株価は、昨年5月下旬に行われた伊勢志摩サミットに向けて急上昇した銘柄が多かったが、その後は上下波動を繰り返す展開。そんななか、日経平均の異例ともいえる上昇も背景に、最近は同関連の株価も強調展開をみせているものも多い。警備保障業界に関しては、数々の大イベントを控えており、話題性に加え収益機会の急拡大も予想されるだけに、株価の伸びしろは大きいといえる。

●ALSOK、セコムはオフィシャルパートナー

 そのなかでも注目が集まるのが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と「オフィシャルパートナー契約」を締結しているALSOK <2331> とセコム <9735> だろう。

 ALSOKは、10月31日に第2四半期累計(4-9月)連結決算を発表。売上高は前年同期比5.5%増の2101億2100万円、営業利益が同3.2%増となる129億2900万円と増収増益で着地した。「働き方改革」を背景にした適切な勤怠管理に対するニーズの高まりから、画像監視に加えて出退勤情報などの閲覧が行える「ALSOK-GV」や、防犯カメラや出入管理機器などの販売が好調に推移し機械警備売り上げが伸長した。また、世界的に多発するテロや各種リスクに対する警備強化へのニーズの高まりや人手不足などを背景に、警備業務のアウトソースが増えたことで常駐警備が増加しているという。

 同社では、東京五輪の警備について「まだ、関係機関から警備計画が発表されていないことに加え入札もあるわけで、すべて今後の話となる。ただ、どうなるにせよ1社で対応できるものではなく、(全国の)警備会社と連携してやっていくことが必要になると思う」(IR室)。同社の株価は6000円大台目前の年初来高値圏で推移、昨年5月下旬の伊勢志摩サミットを前につけた6480円も視界に入り始めている。

 セコムの株価も好調だ。8月29日の直近安値7921円を底に反転攻勢、きょうはマイナスで取引を終了したものの、一時8807円まで買われ1月10日につけた年初来高値8812円に肉薄する場面もあった。同社は、4月に国内大手半導体メーカーと安全なIoTセキュリティー基盤開発で協業を開始。また国内大手電気通信事業者とは次世代移動通信システム「5G」を利用したセキュリティーシステムの実証実験を開始するなど、先進のシステム構築にもまい進している。

●オールジャパンでCSP、東洋テックなど

 またセントラル警備保障 <9740> は10月12日に第2四半期累計(3-8月)の連結決算を発表しており、経常利益は前年同期比23.1%減の10億6800万円となったものの、通期計画の16億1000万円対する進捗率は66.3%に達している。同社は、10年先を見据えつつ東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れた、新中期経営計画「CSPパワフル2020」を策定、画像関連サービスと鉄道会社向け警備サービスの拡販強化を図る。株価も10月16日の直近安値1876円を底に上昇基調にある。

 世界的に大規模テロが横行するなか、東京五輪では“公的”な場所の警備に加え、当然のことながら競技場周辺の民間施設、観光施設、文化遺産などの安全も求められる。1600億円ともいわれる警備費用に加え、さらに巨大な民間需要が発生することになる。まさにオールジャパンの警備が求められておりセコム上信越 <4342> [東証2]、アール・エス・シー <4664> [JQ]、トスネット <4754> [JQ]、東洋テック <9686> [東証2]などの動向からも目が離せない。

●フルキャストは“警備の穴株”

 変わり種では、アルバイト紹介などを展開するフルキャストホールディングス <4848> に注目したい。人手不足や時短など「働き方改革」追い風に乗り株式市場の注目度は高いが、実は傘下に常駐・雑踏警備および交通警備などの警備事業を展開するフルキャストアドバンスを擁している。世界的イベントが目白押しとなるなか、新しい切り口として同社株を刺激する可能性がある。株価は、10月12日に年初来高値2189円をつけた後も2100円近辺で推移しており新高値を睨む展開が続いている。

●監視カメラで輝く! あいHD、池上通、兼松サス

 “リアルセキュリティー”に加え、ここ関心度が増しているのが監視カメラなどを使用した機械警備だ。組織委員会資料によるとセキュリティーカメラ1万台、高度センサー1200式が必要になるとしている。

 前述のストラテジストも「中国や英国などでは監視カメラの普及が顕著であり、その点で日本は遅れている。今後は人工知能(AI)がさまざまなシーンで人間の目や思考に代替する形でセキュリティーの中核技術となっていくことが予想される。また、今後のセキュリティーに欠かせない顔認証技術の研究開発や実用化の加速もマーケット拡大の大きなカギを握りそうだ」と指摘する。人手不足が深刻化するなか、監視カメラシステムなどが担う役割は今後ますます大きくなりそうだ。

 監視カメラでは、多くの関連企業に活躍の舞台が広がりそうだが、そのなかでもあい ホールディングス <3076> 、池上通信機 <6771> 、兼松サステック <7961> などが株式市場で注目度が高い銘柄といえる。ビッグイベントを控え、折に触れて動意しそうだ。

●“伊勢志摩”の夢をもう一度

 ある業界関係者は「今回のトランプ大統領の来日では、米軍横田基地(東京都・福生市など)に到着したこともあり、民間警備の出番(受注)は、大きなものでは、ほぼなかったのではないか」という。「大統領来日に関わる受注については、米軍基地を基点としているだけに想定通りだ。それにしても、伊勢志摩サミットは本当に儲かった。前後に関連会合が全国各地で開催され、多くの関係者が世界から集まったことも大きく影響した」と言い、選手団に加え大会関係者、各国首脳・高官が訪れ、パラリンピックを含めると1ヵ月以上に渡る開催期間となる東京五輪への期待感をのぞかせる。

 2年後に迫ったラグビーW杯、開催まで1000日を切った東京オリンピック、そしてパラリンピックに日本列島は沸くことになる。警備保障関連株の活躍は、これから本番を迎える。

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