ad hide img

みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

※広告非表示の他にも、みんかぶプレミアム会員だけのお得なサービスが盛りだくさん!

みんかぶプレミアムとは みんかぶプレミアム会員になる すでにプレミアム会員の方はログイン

ビットコインキャッシュが抱える不安【フィスコ・仮想通貨コラム】

2019/05/03 09:00
FISCO

2017年8月に誕生したビットコインキャッシュ(BCH)が、飛び抜けて広く使われている仮想通貨ではないことは、誰もが知っている。

ビットコイン(BTC)のスケーラビリティ問題で、セグウィット(segwit)方式による解決を図る「ニューヨーク合意」がまとめられたのが2017年5月のこと。それを不満とするグループが、ビットコインをハードフォークさせて誕生したのがビットコインキャッシュだった。

だが、ハードフォーク直後は盛り上がったものの、その後のビットコインキャッシュの取引は低調にとどまっている。軽いノリで作られお遊び通貨「ドージコイン(Dogecoin、DOGE)」のほうが活発に取引されているとする指標もあるほどだ。

さらにビットコインキャッシュには、新たなトラブルの影が漂っている。来年初めて半減期を迎えるとき、セキュリティーが低下する恐れがあるのだ。半減期とは、マイニング報酬が半減する時期のことで、そのタイミングはそれぞれの仮想通貨の設計当初から決まっている。

ちなみに、この記事に書くことは、ビットコインSV(BSV)などビットコインからハードフォークして、プルーフオブワーク(PoW)の計算にSHA-256を使っている他の仮想通貨にも当てはまる。

★セキュリティー上の不安★

ビットコインキャッシュは、取引生成を安定させるためにDAAという新しい難易度調整アルゴリズムを採用している。ただ、マイニングのペースを一定に保てず、ビットコインよりも早いペースでマネタリーベースが拡大するという「副作用」があった。

これはビットコインのハッシュレートの急落をもたらした。ブロックがよりスピーディーに生成されるなら、ビットコインキャッシュのほうが収益性が高いとマイナーたちが考えたためだ。こうしてビットコインのマイニングペースは一時低下した。

最終的に、ビットコインキャッシュは、当初意図したとおり10分で1ブロックがマイニングされるようDAAを改良した新しいアルゴリズムを採用した。

★ビットコインの半減期とのタイムラグ★

ビットコインキャッシュは来年、ある意味2017年に自らがビットコインに対して引き起こしたのと似たような問題に直面する。ビットコインキャッシュは2020年4月7日に半減期を迎え、ビットコインはその1カ月半後の2020年5月23日に次の半減期が予測されている。

マイナーはブロック報酬とユーザーの支払う送金手数料からマイニングの報酬を得るのだが、送金手数料や価格などすべての条件が同じなら、マイニング報酬が少ないとセキュリティーも低下する。報酬が少なければマイナーはマイニングをやめてしまい、ネットワークのセキュリティーを確保しようと思わなくなるからだ。

セグウィットの採用をめぐるビットコインの混乱が示したように、マイナーは報酬を追い求める。ビットコインキャッシュは、ハッシュ関数SHA-256を採用する通過の中のハッシュパワーシェアという点で比較的セキュリティーは低いほうだが、来年の半減期はその状況を悪化させる恐れがある。

仮想通貨データサイトのfork.lolの予測によると、来年の半減期後のビットコインキャッシュのマイニング報酬は1970ドル。一方、ビットコインの半減期後のマイニング報酬は3万2939ドルになる見通しだ。しかし上述のように、ビットコインキャッシュとビットコインの半減期の間には1カ月以上のタイムラグがある。

ビットコインの半減期前のマイニング報酬は推定6万4471ドル。ということは、ビットコインキャッシュの半減期後の約1カ月半、そのマイニング報酬は、ビットコインのわずか3%程度になる。

もちろんこれらの予測は、ビットコインとビットコインキャッシュの現在の状態に基づくものだ。ビットコインの送金手数料が上昇すれば(過去にもあった)、ビットコインキャッシュの立場はもっと悪化するだろう。

一方、ビットコインキャッシュの価格が上昇すれば、半減期後のセキュリティー確保には助けになるだろう。ただ、ビットコインの場合は、過去の半減期周辺に価格が上昇したが、ビットコインキャッシュの値動きはビットコインとは異なる。

真の問題は、半減期のタイムラグのために、ビットコインキャッシュのマイニング報酬が約半分になったとき、ビットコインのマイニング報酬はすでに約1カ月以上にわたり(おそらく)安定した水準にあることだ。

このためビットコインキャッシュの半減期は、既存の問題を一段と悪化させる恐れがある。ビットコインキャッシュを攻撃したい人物にとって、来年は格好のチャンスになるかもしれない。

(記事提供:LongHash)
LongHashは独自のデータ分析を基に、仮想通貨のトレンドやニュース、価格に関する情報を日中英の3ヶ国語で提供するジャーナリズム・プラットフォームです。ブロックチェーンデータの解析や解説を行うLongHash所属のデータサイエンティストやライターを世界中に抱え、分かりやすい記事で配信しています。またLongHashはブロックチェーンハッカソンやミートアップの企画、実施運営のサービスも提供しています。より多くの記事を読みたい方は、LongHashの公式ページからアクセスできます。

<SI>

配信元: FISCO 株・企業報

暗号資産(仮想通貨)最新ニュース

NEW24/11/21 (木) 20:25

止まらないビットコインの価格上昇、10万ドルが目前に迫る

11月21日、ビットコイン価格は97,500ドルで推移しており、過去24時間で4.4%上昇しました。仮想通貨市場全体の時価総額は約3.32兆ドルであり、ビットコインの占有率は58%となっています。昨日20日、米国で提[&...

NEW24/11/21 (木) 19:10

SEC、フランクリン・テンプルトン暗号資産ETFへの審査を延期

米国証券取引委員会(SEC)は、フランクリン・テンプルトンが申請した暗号資産インデックスETF(ビットコインとイーサリアムへのエクスポージャーを提供)の審査期間を延長し、最終判断を2025年1月6日まで延期しました。フ[...

NEW24/11/21 (木) 18:37

インド中央銀行、中央銀行デジタル通貨の全国展開に慎重な方針

インド準備銀行(RBI)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「e-ルピー」の全国展開について慎重な姿勢を示していることが、Bloombergの報道により明らかになりました。金融の安定性を最優先に、長期的な影響を評価するた...

暗号資産(仮想通貨)ニュースを全て見る

暗号資産(仮想通貨)最新コラム

NEW24/11/21 (木) 14:00

ビットコイン9万5000ドル、自公民3党合意、国民民主は分離課税要求

昨日のBTC相場は続伸。朝方9万4000ドル(約1455万円)にワンタッチ、その後9万1000ドル台に値を下げたが、今朝未明にかけて9万5000ドルに肉薄、朝方の再トライで9万5000ドルにワンタッチした。

NEW24/11/21 (木) 09:01

2024年11月21日暗号資産(仮想通貨)の相場概況

11月21日9時時点での暗号資産市場の相場概況をお届けします。上昇率のトップはDEP Coin、下落率トップのはHedera Hashgraphでした。なお、過去7日間において、 DEP Coin が +221.32%と大きく上昇。

24/11/20 (水) 09:01

2024年11月20日暗号資産(仮想通貨)の相場概況

11月20日9時時点での暗号資産市場の相場概況をお届けします。上昇率のトップはSymbol、下落率トップのはDEP Coinでした。なお、過去7日間において、 Hedera Hashgraph が +109.05%と大きく上昇。

暗号資産(仮想通貨)コラムを全て見る

関連通貨

通貨名 価格 24H変動比
BCH/BTC 0.00527 +0.00055 (11.61%)
BCH/JPY 79,944 +11,112 (16.14%)

おすすめ仮想通貨取引所

  • Coincheck
    27種類の暗号資産が約500円から購入可能

    東証1部上場のマネックスグループの取引所 23仮想通貨へ約500円から投資可能!人気のアプリはダウンロード累計326万

  • DMM Bitcoin
    アルトコインのレバレッジ取引が魅力!

    FXサービスで培った使いやすく見やすいスマホアプリが特徴。チャート4分割やスピード注文で快適な取引を実現!

  • GMOコイン
    アルトコインを空売りできる取引所

    ビットコインFXのスプレッドが国内最狭水準で提供!いつでも買いたい時に買いたい値段で取引が可能