ページTOPへ
02月22日 13:45

S&P500 月例レポート ― “最高の年”を振り返る、S&P500は19%上昇 (2) ―

●トランプ大統領と政府高官

 米上院銀行委員会は、第16代FRB議長(任期は2018年2月1日から)にジェローム・パウエル現FRB理事を起用する人事案を承認し、採決は上院本会議に移されました(承認される見通し)。

 トランプ大統領が米司法長官に指名した共和党上院議員ジェフ・セッションズ氏の後任を選ぶアラバマ州の上院補欠選挙では、民主党候補が当選しました。過熱した選挙戦では、共和党候補のセクハラ疑惑が焦点となりました。

 今回の選挙の結果、2018年1月3日に再開される上院の勢力図は、共和党51議席に対し民主党49議席と、議席差が縮まりました。米連邦通信委員会は、ブロードバンド事業者にインターネット上の全てのトラフィックを同等に扱うことを求めるネットワーク中立性の原則を撤廃することを承認しました。ブロードバンド事業者による直接的な影響は予想されておらず、問題は政治化(ショック要因化)しています。

 上下院はともに、2017年12月21日に再度短期の支出法案を可決し、これにより12月22日の政府機関閉鎖は回避されました。昨年10月からの2018年度予算につなぎ予算が適用されるのは今回3回目で(最初は9月、2回目は12月初めで、今回の予算は2018年1月19日まで有効)、またもや既視感のある展開となりました。トランプ大統領は12月22日午前に法案に署名し、議会は2018年1月3日まで休会に入りました。

●所得税

 上下両院はともに、共和党が1.5兆ドル規模と唱える所得税減税法案を承認しました(上院は賛成51、反対49、下院は賛成224、反対201で、下院では手続き上の不備により2回採決を実施)。反対した民主党は、今回の法案を企業優遇策と批判しています。法案の議会通過後(大統領による署名前)、複数の米国企業が、法案が署名されれば減税で予想される節税分を従業員へのボーナスの支給(AT&T [T]とComcast [CMCSA])。ともに1,000ドル)、給与の引き上げ(Wells Fargo [WFC])や従業員関連の投資(Boeing [BA]、3億ドル)に充てると発表しており、実際に法案はトランプ大統領により署名されました。

●利回り、金利、コモデイティは活発な動きが続く

 米国の金利は12月に若干変動しましたが、これは連邦公開市場委員会(FOMC)が2017年で3回目となる利上げを決めたことよりも、米所得税改革法案の承認(2018年に法案の大半が施行されます)の影響によるものでした。

 米国10年国債の12月末の利回りは2.41%と、11月末の2.42%から低下し、2016年末の2.45%からも低下して年を終えました。米国30年国債の利回りも2.75%と、11月末の2.84%、2016年末の3.07%から低下して12月を終えました。

 外国為替市場では、ユーロは11月末の1ユーロ=1.1909ドル(2016年末は1.0520ドル)から1.2000ドルに上昇した一方、英ポンドは11月末の1ポンド=1.3531ドル(同1.2345ドル)から1.3498ドルに下落しました。円は11月末の1ドル=112.57円(同117.00円)から112.68円に下落し、人民元は11月末の1ドル=6.6124元(同6.9448元)から6.5070元に上昇しました。

 金価格は11月末の1トロイオンス1,277.70ドル(同1,152.00ドル)から1,305.00ドルに上昇しました。原油価格は11月末の1バレル=57.35ドル(同53.89ドル)から上昇し、60.09ドルで12月を終えました。米国のガソリン価格(全等級)は上昇し、11月末の1ガロン=2.562ドル(同2.364ドル)を上回る2.589ドルで12月を終えました。

 VIX恐怖指数は、11月末の11.30(同14.04、2016年11月8日の米大統領選直前は23)から12月末は11.04に低下しました。月中の最高は14.58、最低は8.90でした。

●2018年1月の見通し

 2017年第4四半期の1株当たり利益(EPS)はまたもや過去最高を更新する見通しです。税制改革法案が承認され、設備投資に関するルールが変更されることから(減税の財源についてはまだ答えが出ていません)、市場の注目はこれまで以上に企業からの2018年の業績見通しに集まる可能性があります。企業の自社株買いの増加を予想する向きが大半で、一部では「急増(surge)」という言葉も使われており、今年は自社株買いと配当(大きなイベントがなければ、2018年には再度過去最高が容易に更新されるでしょう)が最終的に1兆ドルの節目を超えて、過去最高を更新する年(および四半期)になると思われます。

 米連邦準備制度理事会(FRB)の市場からの出口戦略について議論があまり聞かれないことは、資産運用者がそれを話題にしたがらないためかもしれませんが、上昇相場の期間と規模を考えれば、出口が訪れることは避けられません(貪欲であることと、そのために相場に長くとどまることは別の問題です)。

 ビットコインやその他の新しく登場した仮想通貨は面白そうに見え、もし私が若かったら(そしてより機敏に動ければ)この市場に参加するかもしれませんが、私の年齢と安全性の観点から考えれば、ラグビーをする方がまだ安全でしょう。

 過去を振り返ると、1月は62.9%の確率で月間騰落率がプラスとなっており、上昇した月の平均上昇率は4.11%、また下落した月の平均下落率は3.96%で、全体の平均騰落率はプラス1.12%となっています。

 今後のFOMCのスケジュールは、2018年1月30日-31日、3月20日-21日(新たな運営体制の下での開催)*、5月1日-2日、6月12日-13日*、7月31日-8月1日、9月25日-26日*、11月7日-8日、12月18日-19日*(*は記者会見が行われる)となっています。



[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト


※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。

[免責事項]
著作権(C) 2018年 S&Pグローバルの一部門であるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLC。不許複製、Standard & Poor's、S&P、S&P500、は、S&Pの一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の登録商標です。LATIXX、MEXICO TITANS及びSPCIは、S&Pグローバル一部門であるスタンダード・アンド・プアーズ・フィナンシャル・サービシーズLLC(以下「S&P」)の商標です。「ダウ・ジョーンズ」は、ダウ・ジョーンズ・トレードマーク・ホールディングズLLC(以下「ダウ・ジョーンズ」)の登録商標です。商標は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCにライセンス供与されています。本資料の全体または一部の再配布、複製、そして(または)複写を書面による承諾なしに行うことを禁じます。

株探ニュース
株探

ビットコイン/円レート・チャート

1,157,996 (-1.82%)

みんなの仮想通貨 公式ソーシャル