ウォルマート(Walmart)は、7月29日付で米国特許商標局(USPTO)に「ブロックチェーンを介したデジタル通貨の為のシステムおよび方法」を特許出願したと、1日に公開されました。
出願申請された方法には、
「ひとつのデジタル通貨単位を、通常の通貨に結びつけることによって、ひとつのデジタル通貨単位を生成すること。ひとつのデジタル通貨単位の情報をブロックチェーンの1ブロックに格納すること。そのデジタル通貨1単位を購入および支払いすること。」など11項目が挙げられています。
つまり、「通常の通貨に1単位で結びつける」とは、いわゆるステーブルコインのことではないだろうかと言われています。
それだけではなく、「銀行利用に高いハードルを感じている所得層に、日常生活の大半を供給できる期間で資産を取り扱う事ができる代替手段」を提供できると、としていることから、リブラに似ているとも言われています。
現代人にとって日常的に欠かすことができない、SNSの利用とスーパーマーケットの利用において、デジタル通貨を通して提案するコンセプトがよく似ている、と解釈できます。
ウォルマートの掲げる提案とは
申請書の中でウォルマートは、提案のデジタル通貨プロジェクトではユーザーに富を保存する為の場所をゼロもしくは低料金で提供できるとし、それは簡単にグループ店舗や特定のビジネスパートナーで利用可能および現金に換えることが出来る、と述べています。
最終的には、このアカウントはデジタル通貨の残高に利子を生むことさえも可能である、と付け加えています。
デジタル通貨はどこでも利用できるように開発可能で、米ドルの裏付けによる預け入れや引き出しが簡単に行えることも見込まれています。また、固定通貨ではなく、他のデジタル通貨に結びつけられることもあり得る、という事です。
ウォルマートは、以前からブロックチェーン利用や送金システム利用など暗号通貨テクノロジーには経験が多くある小売店です。
これまでも、サプライチェーン管理、顧客市場管理、スマートアプライアンスなどの分野でこれらの開発利用にフォーカスしてきました。
デジタル通貨は事前承認済バイオメトリッククレジット
ウォルマートが謳う「ブロックチェーンで保護されたデジタル通貨」とは、クレジットやデビットカードの必要性を取り除くことで現在の銀行にさらに挑むことになります。
「デジタル通貨は、事前承認されたバイトメトリッククレジットカードとして機能する可能性がある。人間がそれ自身のデジタルバリュー銀行へのクレジットカードである。」としています。
クレジットカードを持てない人でも、ブロックチェーンの世界では自分の信用を築くことができる、ということですね。
リブラとの違い
ウォルマートのプロジェクトでは、前述のように利子を生むことが可能です。リブラではこれらが、潜在的に貯蔵された準備金の上に生まれた利子はリブラのパートナー、つまりリブラ・アソシエーションへの収入となります。
そこでウォルマートの利子は、ユーザーの購入履歴を保存して、それらに関連する貯蓄をロイヤリティポイントなどのようにして還元できる、と述べています。
その他、このトークンは未成年者がたばこやアルコールを購入したり、あるいはR指定のDVDを購入したりさせないように、商品カテゴリと購入者を制限することにも使用可能です。
低コストでボーダレスな価値提供
現在、リブラに関しては強烈な政府からの向かい風に直面している最中で、今後の開発展開の見通しは決して明るくありません。
しかし、今回のウォルマートのコンセプトもリブラの掲げる、低コストで地球上にボーダレスな通貨や価値の移転を提供したいという点は共通しています。
それを実現するためのデジタル通貨を活用したネットワーク構築をするという目標は同様に見えます。
今年の暗号通貨市場は、通貨の価値を問うテーマが大きく影響しているようです。
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