これまでのビットコイン送金には、遅延や手数料が高くなるという問題点が挙げられていました。それらのデメリットを解消すべく生まれた新技術がライトニングネットワークです。
この記事では、ライトニングネットワークの概要や、メリット・デメリットについて解説します。
ライトニングネットワークとは?
ライトニングネットワークとは、ブロックチェーン上で動作する「セカンドレイヤー」ペイメントプロトコルと定義されており、オフチェーン上でトランザクションをまとめて送ることで、マイクロペイメントを可能にした技術です。
ライトニングネットワークを実装するためには、Segwit(Segregated Witness)の導入が必須とされており、ビットコインにSegwitが実装したことでライトニングネットワークの実用性が高まりました。
ライトニングネットワークの仕組み
一般的な仮想通貨送金の場合、AからCに送金をするときに「A-C」のチャネルを作っておく必要がありました。
しかし、ライトニングネットワークでは、すでに「A-B」「B-C」のチャネルが開いている場合、Bを中継役として「A-C」まで送金することができます。このネットワークは同時に何千単位の人数で実現します。
つまり、ライトニングネットワークを採用することで、中継役の人を知らなくても効果的に取引できるようになります。
マイクロペイメント技術
ライトニングネットワークにはマイクロペイメント技術が必須です。マイクロペイメントとは、少額単位での支払いを可能にする送金システムであり、1円以下の送金も実現させたシステムです。
例えば、広告収入などの0.1円単位の支払いをするときに、仮想通貨送金ではどうしても手数料の方が高くなってしまいます。
マイクロペイメントが仮想通貨送金で実装されることにより、送金手数料が無料に近い値段で送金できるようになるのです。
Segwitの重要性
Segwit(Segregated Witness)とは、ブロックチェーン上に記録される取引データを圧縮するシステムです。取引データが圧縮されることで、1ブロックあたりに記録される取引データの量が増加するので、速やかな取引処理が実現します。
ライトニングネットワークのメリット・デメリット
ライトニングネットワークの技術が仮想通貨の送金に採用されることで、これまで煩わしかった取引がスムーズになりました。しかし、その一歩でデメリットも生じます。
メリット①少額のマイクロペイメントが可能
これまで少額のビットコインを送金する場合、1回あたりの送金手数料は10〜20円程度かかるので、手数料が決済金額を上回ってしまうケースがありました。
マイクロペイメントなどの取引をビットコインブロックチェーンの外部で管理・実行する技術(オフチェーン)により、多額の取引手数料が無料に近くなり、即時の取引確定が可能になりました。
メリット②トラストレスな送金
ブロックチェーン外での送金を記録するためには、取引情報の信憑性を持たせるために第三者が必要でしたが、ライトニングネットワークでは、他のノードを中継役として使えるので、これまでもよりも即時送金が可能になります。
デメリット①中央集権的なシステム
ライトニングネットワークは、ブロックチェーンとは別システムとなっており、ライトニングネットワークで効率化したトランザクションをブロックチェーンに乗せることでマイニング回数を減らします。
しかし、デポジットの多い仲介者ほど中継役として経由される確率が高くなるので、政府や銀行などの資金力のある仲介者が参入することで、中央集権化されてしまうリスクがあります。
デメリット②セキュリティが甘くなる
ライトニングネットワークはオフチェーンのトランザクションが常に行われている状態なので、ホットウォレット化する可能性があります。
常にネットワークウォレットと繋がっていると、ハッキングのリスクも高くなるのです。安全性が担保されるようなライトニングネットワーク用のウォレットが開発されるのは明らかにされていません。
ライトニングネットワークは仮想通貨送金の鍵を握る技術
仮想通貨の送金にライトニングネットワークの技術が採用されることで、これまで実現しなかった少額決済や即時送金が可能になります。ライトニングネットワークにはセキュリテイ問題や中央集権化されてしまう問題点がありますが、技術の進歩によって実現も可能です。
また、ライトニングネットワークが実装されることにより、これまで実用的ではなかった仮想通貨の支払いがスムーズにできるので、価格にも大きな影響を及ぼすと言われています。
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