中国ステーブルコインと言われるCBDC、デジタル人民元が間もなくテスト開始されると報道がありましたが、そこに繋がると思われるブロックチェーンの実証例はこれまでも後を絶ちません。
今月5日、中国の4大貸付業者のひとつである中国銀行(BOC)は、中小企業向けローンに20億元(28億ドルおよそ3兆24憶円)の特別金融債を自社のブロックチェーン上で発行しました。
中国国内のブロックチェーン上で初めて発行される債券のユースケースとなります。
BOCによれば、この債券は2年固定でクーポンレート(表面利率)は3.25%となる見込みで、集まった資金は中小企業支援のためのローンとして活用されるとのことです。
BOCはそのブロックチェーンシステムを使って、所有権を証明するデジタル証明書を発行し、引き受け会社のグループを形成し、取引の証拠文書を作成しました。
プライベートブロックチェーン実証例の増加へ
中国人民銀行は、今年春に1年のTMLF(標的型中期貸出制度)を展開をするも、10月の回には一旦見送っていました。
しかしこの動きは、商業銀行が中小企業により多くを貸し付けようという、規制当局による勢いを反映しているようです。中小企業支援ロールアウトは、国家が努力している表れだと言われています。
ブロックチェーンのプラットフォーム上で中小企業向けにサービスを始めたのは、今年2月、中国工商銀行(ICBC)のファクタリング取引(売掛債権取引)が初めてです。
金融のブロックチェーン活用例は競争の激化
BOCは、自身の特許取得のブロックチェーン決済システムを経由してドル建てで韓国へ、8月に初めて国際送金を行いました。
また、中国農業銀行は2017年8月にeコマースブロックチェーン・ファイナンスシステムを使用して農家がオンライン取引を行うのを支援しました。
中国の中央銀行の人民銀行(PBoC)は昨年9月に、湾岸貿易金融ブロックチェーンプラットフォームの試運転を開始し、中小企業が中国南部の香港、マカオ、広東省の間の地域で資金調達するのを支援しました。
銀行以外でも、先月11月、テクノロジー大手のアリババのフィンテック部門、Ant Financialは3か月以内に信頼性の高い金融サービスを中小企業に提供するために、自身のブロックチェーンプラットフォームを立ち上げると発表しました。
デジタル人民元のテスト予定目前
中国は、国内での暗号資産取引の規制は厳しい半面、その技術のブロックチェーンに関してはどん欲な姿勢を見せて来ました。
最新の報道でも、デジタル人民元(CBDC)のテスト予定の勢いが加速しています。年末までには広東省深セン市で最初のパイロットを開始予定で、蘇州でも実施予定のようです。
そして国内のスタートアップや中国独自のブロックチェーン活用をしている例が多くあることを考慮すると、その計画が順調に実証実験を進めていて実用が近づいているのかもしれない、との推測がついて回ります。
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