金融庁は27日、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)について、パブリックコメントへの回答を公表した。同庁は2019年9月30日~10月31日にかけて、改正案に対するパブリックコメントを募集していた。結果として、9の個人および団体より延べ36件のコメントを受けたという。
同資料の中で、金融庁は暗号資産(仮想通貨)ETF(上場投資信託)について、『ETF 自体が投資信託等である場合、本監督指針改正を踏まえると、国内で組成・販売することはできなくなる』との考えを示している。また、海外で組成された仮想通貨ETFに対して投資する投資信託なども、同様の考えであるとしている。
投機性が低いと考えられるデジタル通貨については、『仮想通貨ではなく、資金移動業や集団投資スキームに関する規制が適用される場合もあり得る』として、このため『十分な利用者・投資者保護が図られる必要があると考えており、慎重に対応してほしいと考える』と述べている。
また、暗号資産への投資については『投機を助長している等の指摘もあり、このような資産に投資する投資信託等の組成・販売には慎重に対応すべきである』との考えを示したほか、ステーブルコインについて『多種多様であることから、一概に回答することは困難だが、十分な利用者・投資者保護が図られる必要があると考えており、慎重に対応してもらいたい』と伝えている。
さらに、適格機関投資家を対象にした、いわゆる「プロ私募」等についても、『年金基金や地域金融機関等のように、一般国民の資金の運用を担っている面もあることを踏まえると』、『募集方法や投資家属性にかかわらず、投資家に過度な価格変動リスク等を負わせる可能性が高いと考えられる非特定資産等に投資する投資信託等、投資信託・投資法人制度としての信頼性を損ねかねない商品の組成や販売は適切ではない』と強調。
ただし、今後、仮想通貨の取引に関する記録が蓄積され、資産としての安全性が高まった場合においては、『機関投資家に対する仮想通貨投信の組成・販売が適切となる可能性はある』とコメントしている。
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