・次フェーズではMicrosoft初の「DIDサービスの一般提供」を目指す
・MicrosoftはDID分野での取り組みに関する5つの原則・指針を新たに設定
MicosoftがDID(分散型ID)分野での取り組みが次のフェーズに進んだことを発表し、次フェーズではDIDサービスの一般提供を開始する予定であると明かしました。
3年前にDID技術の開発への取り組みを発表したMicrosoftは、慶應義塾大学等と協力し、DIDに関する実証実験を行ってきました。
Microsoftは今年4月に新たなDIDシステム「Microsoft Azure Active Directory Verifiable Credentials」をパブリックに公開し、それにより多くのフィードバックが寄せられたとしています。
そして、今回DID技術の開発が次のフェーズに進んだとして、Microsoftは新たに下記の2つの目標を設定しました。
- 「DIDコミュニティを協力して、全員がサポートできる高品質のオープンなスタンダード(業界標準)を完成させる」
- 「DIDサービスの初の一般提供を開始する」
これに伴い、Microsoftは新たに「安心・確実・信頼の」「プライバシーが守られ、自分でコントロールできる 」「監督できる」「環境に配慮している」等の5つの指針・原則を発表しています。(後述)
さらに、上記の5つの原則に加えて、追加コミットメントとして「合法である」「相互運用性とアクセス性がある」などの項目が挙げられました。
Microsoftは、今後数週間から数ヶ月の間に、これらの原則を実際にどのように使用されているかについて、ブログで発信していく予定としています。
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5つの基本原則( -引用元:Microsoft)
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「安心・確実・信頼の」
- 自分のデジタルIDは安全でなければならない
- 偽造やハッキングが容易であってはならない
- 誰も自分になりすことが不可能なようにしなければならない
- 自分のデジタルIDにアクセスし、使用し、安全に回復する方法を常に持っていなければならない
- 自分がデジタルIDを使用したすべての回数、誰と使用したか、何に使用したかの詳細なログにアクセスできなければならない
「プライバシーが守られ、自分でコントロールできる 」
- 自分のデジタルIDは自身の管理下にあり、誰がどのように使用するかを知る必要がある
- 自分のデジタルIDのどの要素が要求されているかの確認が出来なければならず、同意された使用をサポートするために必要な特定の情報のみを開示するオプションがなければならない
- 自身によるデジタルIDの使用は非公開でなければならない。自分が明示的に共有した相手以外の誰も、自分の同意なしにデジタルIDを使用していることを知るべきではない
- 自分のデジタルIDは、自身の同意なしに、関係のないサービスやアプリケーション間で自分を追跡するために使用されてはならない
- 自身のデジタルIDを管理するために、自分が選んだデバイスやアプリケーションを自由に切り替えることができなければならず、決してロックインされてはならない
- 自分のデジタルIDのすべての側面、関連するデータおよびログ・ファイルを、自身が保存することを選択した場所から削除できなければならない
「包括的で、公平で、使いやすい 」
- 自分のデジタルIDは、人種、民族、能力、性別、性同一性、性的指向、国 籍、社会経済的地位、政治的地位にかかわらず、使用可能、利用可能、アクセス可能でなければならない
- 自分のデジタルIDは、使いやすく、ユニバーサル・デザインの原則を用いて、 さまざまな能力を持つ人々にとって有用なものでなければならない
「監督できる」
- 自分が能力を失ったとき、または亡くなったときに、必要に応じて自身のデジタルIDに アクセスできる信頼できる友人または家族を指定できなければならない
- 自分が子どもの場合、自身のデジタルIDは、親または親権者による適切な監視および管理をサポートしなければならない
「環境に配慮している」
- 自分のデジタルIDの作成および使用は、環境的に持続可能であり、長期的な環境被害を引き起こさないものでなければならない
記事ソース:Microsoft
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