エヌエフ回路設計ブロック<6864.T>が一時127円高の2591円と値を飛ばしたほか、フィックスターズ<3687.T>も買い優勢で4日続伸と強い動きをみせている。ここにきてメガバンクをはじめ大手金融機関が量子コンピューター分野に経営資源を注ぐ構えをみせていることで、量子コンピューター関連株として人気素地を持つ両銘柄に物色の矛先が向いている。 量子コンピューターは量子力学的な重ね合わせにより、極微の世界で生じる物理現象を活用して並列コンピューティングを実現させる仕組み。スーパーコンピューターですら数千年も要する演算をわずか数時間で完結するという性能を持っており、これが決済情報などのやり取りで使う暗号の解読で悪用されるリスクも指摘されている。大手金融機関はそれに備えるために量子コンピューター分野の研究を進める必要性に迫られている。くしくも、きょうは仮想通貨交換事業会社のテックビューロが運営する「Zaif」でハッキングによる仮想通貨流出被害が発生するなど、サイバーセキュリティーの重要性が改めて意識されたことも思惑を呼んだ。 そのなか、エヌエフ回路は量子コンピューターの開発で使用される可能性がある微小信号測定器を手掛けていることで関連有力株としてマークされている。また、フィックスターズは金融機関向けなどを中心に顧客のシステムを高速化させるソフトを手掛け、世界で初めて量子コンピューターの商用化に成功したカナダのDウェーブ社と提携関係にあることで注目されている。 (注)タイトル末尾の「◇」は本文中に複数の銘柄を含む記事を表しています。 出所:minkabuPRESS