12日の仮想通貨相場は、主要3種をはじめ、冴えない動きを見せている。仮想通貨取引所バイナンスのメンテナンスが終了し17時よりトレードを再開したものの、執筆時点(3月12日17:10)までの24時間でビットコインは約1.5%のマイナス。イーサリアムは1.6%、リップル(XRP)は1.5%のマイナスとなっている。
(出典:Coin360)
バイナンスのメンテナンスは、大手取引所ということもあり、相場の重しとなっていたという見方も出ている。
年初来で低調な動きの続く仮想通貨相場にあって、ライトコイン(LTC)とバイナンスコイン(BNB)の好調さが目立つ。ライトコインは年初来で70%以上、バイナンスコインは133%も上昇した。
既報の通り、バイナンス の分散型取引所(DEX)のテストネットを開始され、トークン販売による資金調達プラットフォームのローンチパッドが好調だ。ジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)がSNS上で頻繁に利用者とコミュニケーションを取っているのも、バイナンスコインの安心材料となっているだろう。
一方、ライトコインの上昇材料については以下のような材料が考えられる。
プライバシーの改善
ライトコインの創設者チャーリー・リー氏は、今年1月、ライトコインが今後プライバシーとFungibility(代替性)の改善に努めると発表。「健全なマネー」を目指す上で、ライトコインとビットコインに欠けているのはプライバシーと代替性だとし、次の競争もこの分野で起きるだろうという見立てを示した。
実際、ライトコインは匿名仮想通貨のBEAMにアプローチし、プライバシー保護に特化するプロトコロル「MimbleWimble(ミンブルウィンブル)」を組み込むことに関して協力を仰いだ。このニュースが報じられた際、ライトコインは30%以上急騰した。
最近米国では、キャッシュレス化に対する反動として、プライバシーの保護という観点から現金を見直す動きも出ている。
プライバシーへの取り組みが仮想通貨投資家にとってどの程度好感されるのか、注目だ。
ベネズエラの動向
ハイパーインフレのため、ベネズエラでは法定通貨への信用が失墜し、代わりにビットコインなど仮想通貨に対する需要が高まっている。そんな中、先日、ベネズエラ政府がビットコインとライトコインを使った送金サービスを立ち上げたと報じられた。
仮想通貨投資ファンド、モルガン・クリーク・デジタルの創業者アンソニー・ポンプリアーノ氏は、先日、ベネズエラ人(バイナンス関係者)とインタビュー。ベネズエラ国内で、米ドルではなく、ビットコインが普及していくだろうという見立てが語られている。
半減期
さらに8月8日に、ライトコインのマイナーに対する報酬が25LTCから12.5LTCに半減するいわゆる半減期が予定されている。新たなライトコインの供給量が引き締められることになるため、フォーブスはライトコイン価格にはプラス材料とみている。実際、1回目の半減期だった2015年8月25日にかけての数カ月間、ライトコインの価格は急上昇した。
フォーブスは、ライトコインにポジティブ材料が相次いでいることから、今年、リップル(XRP)、さらにはイーサリアム(ETH)を抜くかもしれないと予想している。
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