先月、ビットコインは5月に上昇するという検証記事を書きました。

【検証】ビットコインは5月に上昇する

5月のビットコインは92万円でスタートし、一時は107万円まで上昇。半減期の前に急落したものの、その後に持ち直し昨日から下落に転じています。記事執筆時点において94万円で推移。新型コロナウイルスも国内の状況はかなり好転しており、今日午前に緊急事態宣言の解除方針となりました。このままいくと、5月はコマ足に近い陽線となりそうですね。

さて、今回も過去の統計データ(2016~2019年)から、6月のビットコインのパフォーマンスと傾向を見ていきます。

6月のビットコインは上昇傾向

コインマーケットキャップのヒストリカルデータを基に、2016年から4年分の価格データを用い算出しました。

すると、6月の平均勝率は75%、平均上昇率は11.68%となりました。

年別の6月の値動きは以下の通りです。

始値 高値 安値 終値 騰落幅 騰落率
2016 5万9541 8万2982 5万7849 6万9910 1万369 26.78%
2017 26万6000 33万8300 25万0701 25万701 ▼1万5299 8.41%
2018 81万6163 85万4310 64万4300 70万8359 10万7804 ▼14.62%
2019 92万7185 149万8925 80万1002 117万4041 24万6865 26.16%

過去の6月の出来事

5月に起こったビットコイン関連ニュースを見ていきましょう。

2016年

7月にビットコインの2回目の半減期を控え、一時は20%以上も上昇となる強い動きを見せました。

2017年

仮想通貨元年として、4、5月での上昇が一服。ICOの盛り上がりにより、イーサリアムの上昇が鮮明となり、ビットコインは調整時期となりました。

2018年

国内大手交換業者の大規模資産流出問題に端を発する、当局からの交換業者の業務改善命令により仮想通貨市場は軟調な展開となりました。

2019年

BakktがCFTCにBTC先物開始を申請。数カ月以内に取引開始を予定と発表し、相場は大きく上昇。

また、G20で仮想通貨の本人確認が強化されるという思惑もあり、チャイナマネーによる買い需要が高まりが価格を押し上げたとも言われています。

ビットコインの理論価格は妥当

最後に、理論価格とされる3つの指標も見ておきましょう。

総合的に見ると、妥当と言えそうです。

なお、ドル円の価格は107円で計算しています。

メトカーフの法則

メトカーフの法則とは、ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の2乗(n2)に比例する、というもの。

この法則にビットコインのユニークアドレス(取引活動があるアドレス)の数を用いてフェアバリューを計算した結果、5月22日時点のビットコインは 1万1861 ドル前後=126万9000円程度だそうです。

参考:「メトカーフの法則」ビットコイン価格は割安の可能性も(5/22)

ハッシュレート分析

ハッシュレート分析によると、こちらもビットコインの妥当価格は8141ドル前後=87万1000円程度となるようです。

参考:ハッシュレート分析によるビットコイン妥当価格は8,141ドル(5/20)

なお、 ハッシュレートは2019年1月11日時点の41,336,683 TH/Sから2020年5月20日時点では98,356,274TH/Sと約2.3倍に増加(Blockchain.com)。5月12日に半減期を通過した後、短期的にハッシュレートは19%減少しています。

NVTではやや割高

NVTとはネットワークの価値を示す指標。暗号資産の市場分析で有名なウィリー・ウー氏が考案し、同氏のホームページではリアルタイムの数値を公表されています。

NVT(Network Value to Transaction)とは

ネットワークの価値(暗号資産の場合には流通するコインの市場価値)を日ごとの取引量で割った比率。この値が高ければ取引量に比べてネットワークの価値が高いことを、この値が低ければ取引量に比べてネットワークの価値が低いことを表している。

参考:NVTから見た足元のビットコイン価格はやや割高(5/22)

過去90日間の平均取引高(1,827,598,465ドル)にNVTの過去平均値(121)を当てはめると、ビットコインの妥当価格は8432ドル前後=90万2000円程度と算出される。

 

今回はNVTも追加しましたが、直近のハッシュレートの低下を見ると、もう少し下落余地はあるもかもしれません。

ただ、主要マイナーの損益分岐点は半減期後に90万円台に引き上がったとも言われており、大きく下落する可能性は低そうです。