先月、ビットコインは4月に下落するという検証記事を書きました。
【検証】ビットコインは4月に上昇する
4月のビットコインは69万円でスタートしましたが、記事執筆時点において83万円で推移。新型コロナウイルスも海外では少し落ち着きを見せており、リスクオフの巻き戻しの動きとなっています。このままいくと、4月は陽線となりそうですね。
さて、今回も過去の統計データ(2016~2019年)から、5月のビットコインのパフォーマンスと傾向を見ていきたいと思います。
5月のビットコインは上昇傾向
コインマーケットキャップのヒストリカルデータを基に、2016年から4年分の価格データを用い算出しました。
すると、5月の平均勝率は75%、平均上昇率は32.33%となりました。
年別の5月の値動きは以下の通りです。
年 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 騰落幅 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2016 | 5万9541 | 8万2982 | 5万7849 | 6万9910 | 1万369 | 18.49% |
2017 | 15万6572 | 34万7789 | 15万6170 | 27万5002 | 11万8430 | 69.58% |
2018 | 101万0790 | 108万3040 | 77万3004 | 81万6163 | 19万4627 | -19.99% |
2019 | 45万3198 | 63万1250 | 44万9040 | 58万7006 | 13万3808 | 60.24% |
過去の5月の出来事
4月に起こったビットコイン関連ニュースを見ていきましょう。
2016年
大きなニュースはありませんでしたが、2回目の半減期やブロックチェーン・仮想通貨の世界的イベントであるコンセンサス2016(初開催)に向けての期待感がありました。
2017年
仮想通貨ブームが到来し、ゴールデンウイーク開けには仮想通貨取引所の口座開設には2週間以上掛かる取引所もあるほど盛り上がっていました。4月に10倍程度まで急伸したリップルはさらに上昇し、ネムも大きく上昇を始めました。
2018年
コインチェックのハッキングや交換業者への業務改善命令などのショックから立ち直りつつあり、前年から盛り上がったコンセンサス2018への期待も加わり、4月から大きく上昇していました。しかし、ゴールデンウイークが開けた直後から下落に転じ、韓国の大手取引所ビッサムでのハッキング問題もありました。
2019年
フィデリティによる機関投資家向けBTC取引サービス開始やフェイスブックがブロックチェーンプロジェクト「Libra」を計画しているとの発表がありました。
一方で、バイナンスのハッキング被害や出来高水増し問題の報道、またビットコインETFの上場延期が決まるなど、ネガティブなニュースもありました。
ビットコインの理論価格は割安
最後に、理論価格とされる二つの指標も見ておきましょう。
なお、ドル円の価格は110円で計算しています。
メトカーフの法則
メトカーフの法則とは、ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の2乗(n2)に比例する、というもの。
この法則にビットコインのユニークアドレス(取引活動があるアドレス)の数を用いてフェアバリューを計算した結果、4月24日時点のビットコインは9961ドル前後=107万円程度だそうです。
記事執筆時点は95万円付近で推移しているため、少し割高ということになりますね。
参考:「メトカーフの法則」ビットコイン価格は割安の可能性も(4/24)
ハッシュレート分析
ハッシュレート分析によると、こちらもビットコインの妥当価格は8622ドル前後=92万6800円程度となるようです。
参考:ハッシュレート分析によるビットコイン妥当価格は8,622ドル(4/22)
これらふたつの指標ではビットコインは割安という結果になっており、コロナショックが本格的な収束に向かえば、この価格に集約されてゆくのかもしれません。
※ドル円107円50銭で計算
さて、5月10日前後には4年に一度のビットコインの半減期が予定されています。先に半減期を向かえたビットコインキャッシュは、半減期前の10日間で30%ほど上昇しました。ビットコインも同じように動くとなると、ここから100万円台が見えてきます。
半減期=上昇すると決めつけるのは良くないですが、前例では上がっており、ツイッターにも半減期のキーワードが増えつつありますので、これからの2週間はアツい期間と言えそうです。