先月、ビットコインは3月に下落するという検証記事を書きました。
【検証】ビットコインは3月に下落する
結果として、2月後半から本格化したコロナショックの影響で急落し、一時は40万円台前半まで下落することになりました。始値は92万円のため3月は陰線となりそうです。
さて、今回も過去のビットコインの統計データ(2016~2019年)より、4月のパフォーマンスと傾向を見ていきたいと思います。
4月のビットコインは上昇傾向
コインマーケットキャップのヒストリカルデータを元に、2016年から4年分の価格データから算出しました。
すると、4月の平均勝率は100%、平均上昇率は23.91%となりました。
年別の4月の値動きは以下の通りです。
年 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 騰落幅 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2016 | 4万7661 | 5万2249 | 4万5592 | 4万8466 | 805 | 1.69% |
2017 | 12万1901 | 15万9473 | 12万690 | 15万6574 | 3万4673 | 28.44% |
2018 | 74万4025 | 106万9950 | 68万4000 | 101万790 | 26万6765 | 35.85% |
2019 | 45万3198 | 63万1250 | 44万9040 | 58万7006 | 13万3808 | 29.53% |
4月はとにかくビットコインが上昇しています。これには、マイニング市況の好転という仮想通貨の季節要因が大きいようです。2019年にはビットメインのマイニングマシンを買うためにマイナーがビットコインを一斉に買ったために急騰するということも起こりました。
特に今年は5月前半ごろに半減期も予定されているため、需給は例年よりも良くなりそうです。
過去の4月の出来事
4月に起こったビットコイン関連ニュースを見ていきましょう。
2016年
日本でもビットコインがじわりと盛り上がった時期でした。筆者が、みんかぶFXで仮想通貨のコラムを書き始めた時期です。2016年7月にビットコインの半減期を迎えるとあって、注目していた投資家も多かったようです。
2017年
4月1日に改正資金決済法が施行され、同時にビックカメラがビットコイン決済をスタートしました。ここから、国内での爆発的な仮想通貨ブームがスタートしました。ビットコインよりも、リップルやイーサリアムなどのアルトコインの上昇率の方が鮮明となりました。
2018年
コインチェック事件が落ち着き、業界の認定団体を目指す日本仮想通貨交換業協会も発足しました。
参考:マネックスGが一時ストップ高、「コインチェック」効果で個人投資家の買い流入
2019年
3月に国内の新たな交換業者の承認やビットメインが新しいマイニングマシンを発売するという好材料の流れを引き継ぎ上昇。4月25日にはテザー社が発行するUSDTを不正運用した疑いで米・ニューヨーク司法局が捜査に乗り出してビットコインは急落するも、USDTを売却してビットコインを買うという流れが生まれ一転、上昇に転じました。
ビットコインの理論価格は割安
最後に、理論価格とされる二つの指標も見ておきましょう。
なお、ドル円の価格は110円で計算しています。
メトカーフの法則
メトカーフの法則とは、ネットワーク通信の価値は、接続されているシステムのユーザ数の2乗(n2)に比例する、というもの。
この法則にビットコインのユニークアドレス(取引活動があるアドレス)の数を用いてフェアバリューを計算した結果、3月22日時点のビットコインのフェアバリューは8604ドル=94万6440円だそうです。
記事執筆時点は95万円付近で推移しているため、少し割高ということになりますね。
参考:「メトカーフの法則」ビットコイン価格は割安の可能性も(3/23)
ハッシュレート分析
一方でハッシュレート分析によると、こちらもビットコインの妥当価格は8592ドル前後=94万5000円程度となるようです。
参考:ハッシュレート分析によるビットコイン妥当価格は8,592ドル(3/18)
ふたつの指標で全く同じ価格になるという結果になっており、コロナショックが落ち着けばこの価格に集約されてゆくのかもしれません。
さて、26日にビットコインの難易度調整が予定されています。ここでは、価格の急落によりマイナーがマシンを停止しており、ハッシュレートは高値から約26%程度下がり、難易度調整では10%以上もの調整が見込まれています。
この後に、マシンを再稼働させるマイナーも多そうですが、ハッシュレート分析による理論価格も変わることが予想されます。