2月末から、新型コロナウイルスの影響が株式市場にも波及してきました。ダウ平均株価は史上最高値を更新した直後から下落が始まり、約1ヶ月で1万ドル以上の歴史的な暴落となりました。これは2008年のリーマン・ショック以来となります。
こちらで(コロナショックとリーマン・ショックを比較)過去の値動きや各国の動きについて比較しました。
前回、サブプライム問題からリーマン・ブラザーズの倒産へと波及してしまったように、今回もここから2次、3次的な影響が現れる可能性も高いでしょう。過去の相場からしっかりと学び、取引に生かしていきたいですね。
現在は、コロナウイルスの流行によって、アメリカ、イタリアをはじめ、複数の国々では都市全体の封鎖がされています。FRBは緊急利下げによって、政策金利をほぼゼロまで下げ、他の国々の中央銀行も次々と金利を引き下げる状況になっています。
各国の動きを見ると、世界経済への影響はかなり大きく、恐慌が発生してしまう前に抑えようとする努力が見られます。
為替や商品への影響
株式の下落に伴い、米ドルと日本円を除くユーロ、ポンド、豪ドルなどの主要通貨は大幅安となりました。一時はリスクオフによく見られる円高になったものの、現在は一転して米ドルが強く買われるような状況で、米金利が大きく下がったにも関わらず、米ドルの需要が高くなっています。
同時に、原油やゴールド、ビットコインなどの商品も大きく売られています。リスクオフ資産の代表として考えられているゴールドでさえも売られるような展開となっており、資産を現金に戻す動きとなっています。
半減期に向けてのビットコイン価格予測
今年5月にビットコインは半減期を迎えると予想されています。半減期は価格にポジティブな影響を与えると予想されていますが、3月12日には83万円から40万円台まで50%近く急落する値動きを見せ、仮想通貨の価格変動の大きさを再確認させられました。現在は70万円台まで反発するなど強い動きを見せたものの、コロナウイルスの影響が続いていく限り、ある程度戻ったところでは上値が重くなる展開になるのではないかと考えています。
ビットコインは、クジラと呼ばれる大量保有者が簡単に価格を動かせてしまうとも言われています。また、買いポジションのふるい落としやレバレッジを掛けた取引でのショートカバーの誘発など誘うことによって上値が軽くなります。最終的に、上場すると考えている大口投資家にとっては、こういった値動きは都合が良くなります。
新型コロナウイルスが収束するかどうかで先行きは大きく変わってきそうですが、3月末までの間は2019年1月〜3月のような底値を固めるような動きが続くのではないかと予想しています。
では長期のチャートを見ながら、チャート分析と今後の戦略について考えていきます。
週足チャート分析
筆者が最も注目しているのは、ログスケールチャートで見た場合、2019年と2020年にも反発していた上昇トレンドラインを割り込んでしまっているという部分です。
このトレンドラインを注目している投資家は非常に多いでしょう。そのトレンドラインですが、3月についに週足レベルで割り込んでしまいました。そのため、トレンドライン内に回帰しない限り売り目線でいます。
長期的にはリターンムーブを待ってから売りたいため、まずは反発後に売りを狙っていきたいと思っています。半減期後には下がっていくシナリオを考えており、長期的には40万円をも割り込んでいくのではないかと考えています。
1時間足チャート分析
目先の動きはどうでしょうか。
チャートの形状がイヴ・アダムのチャートパターン(2番底のこと。左側の尖った底がアダム、右側の丸みをおびた底がイヴという)に似ているため、短期的には上昇していくのではないでしょうか。
ここから上昇した場合、いったん80万円台まで戻りそうです。
オーバーシュートしたダウ平均株価ですが、米国の2兆ドル規模の経済対策が好感されれば大きな戻りが期待できます。それに連動しビットコインも上昇に勢いが付けば、80万円台は十分考えられそうです。
今後の戦略としては、短期では買い、中期(半減期まで)でも買い、長期(半減期後)では売りで考えています。
しかし、コロナウイルスの影響が落ち着かずに、実体経済にも大きな悪影響をもたらした場合は、積極的に売りを狙っていこうと思います。