2018年11月に急落した仮想通貨が4月に入り価格が大きく上昇。主要な仮想通貨のほとんどが年初から2倍以上になるほどの上昇を見せています。
この上昇は連日テレビでも報道され、普段、仮想通貨に興味が無い人も注目することとなりました。
いったい何が起こったのでしょうか。
2019年3月から5月に仮想通貨市場で起こったことと、今後の仮想通貨の値動きを左右する可能性の高いイベントについて解説していきます。
これから仮想通貨を始めようと思われている人は、ぜひ読んでいただければと思います。
春に起きたことと、これから起きると予想されることを、3分で読めるようにまとめてみました!
仮想通貨市場で起こったこと
まずは、下のチャートをご覧ください。
2019年3月から5月に仮想通貨市場で起こった主なニュースを記載しています。
- 3/15:金融商品取引法と資金決済法の改正案を閣議決定
- 3/21:大手マイナーであるビットメインの大規模投資報道
- 3/25:楽天ウォレットとディーカレットが仮想通貨交換業者として登録が完了
- 4/2:ビットコインが50万円に上昇
- 4月~5月:世界中で仮想通貨取引所の口座開設申し込みが急増
- 4/25:テザー社が発行する仮想通貨、USDTを不正運用した疑いでニューヨーク司法局(NYAG)が捜査へ
- 5/2:グレイスケール社のビットコインに関するテレビCMが話題に(放送は5/18)
- 5/13:bakktのビットコイン先物報道
- 5/13~15:コンセンサス2019(世界最大の仮想通貨・ブロックチェーンのイベント)
- 5/24:イーサリアム投資信託が米金融規制機関から認可
仮想通貨が上昇した理由
仮想通貨の価格が大きく上昇した理由としては、主に季節要因と法規制の進展、ビックイベントの開催があったと言われています。
1.大手マイニング業者の動き
ビットコインを支えるマイナーの大半は、電気代の安い中国でマイニングを行っています。
中国では、雨季(5月~9月)になると電気代が安くなり、マイニングに有利となるためマイナーが増加。その結果、ビットコインの計算能力が上がり相場にプラスの影響を与えやすくなります。
3月にマイニング大手であるビットメインが、雨季に20万台のマイニングマシン(約80億円の投資)を設備投資したと報じられました。また、同社は新しいマイニングマシンも完成させており、注文が殺到。マイニングマシンの購入はビットコインで行われるため、必然的に買い需要が生まれました。
2.日本の交換業者の登録や世界的な関連規制の進展
3月25日にみなし業者2社の交換業者が登録されました。取引量の約4割を占める日本の仮想通貨業界で進展があったことは、市場にとって明るいニュースとなりました。
米国NYでは、これまで禁止していたリップル(XRP)の取引が可能となり、再び仮想通貨が認められる流れが進みました。
3.ビットコイン先物の報道
2017年12月にビットコイン価格が高騰した要因の一つであったビットコイン先物。
インターコンチネンタル取引所(ICE)の機関投資家向け仮想通貨取引プラットフォームであるBakktが、ビットコイン先物の保管・取引業務のユーザーテストを7月にも開始する予定であるとTwitterで発表しました。発表後1時間でビットコインは5万円も上昇し、翌日には90万円に到達しました。
4.仮想通貨の価格上昇による新規マネーの流入
仮想通貨の価格上昇に伴い、取引所の口座申し込み数も急増。
日本の主要取引所では、3月に比べて4月は2倍以上の申し込みがあったようです。
また、米国では5月にビットコインのテレビCMがスタート。大手取引所コインベースの取引アプリがApp storeのトレンド入りするほどダウンロードが加速しました。
◇主要6通貨の2019年パフォーマンスデータ
通貨 | 安値 | 高値 | 値幅 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|
BTC | 406,377 | 978,355 | 571,978 | 240.8% |
ETH | 14,429 | 30,732 | 16,303 | 213.0% |
XRP | 38.354 | 52.429 | 14.075 | 136.7% |
BCH | 16,316 | 49,890 | 33,574 | 305.8% |
LTC | 3,283 | 12,684 | 9,401 | 386.4% |
EOS | 278 | 771 | 492 | 277.0% |
計測期間:2019/1/1~5/27
今後の仮想通貨市場における重要イベント
1.Bakktのビットコイン先物の開始
ビットコインを短時間で押し上げたBakktのビットコイン先物報道。前述したように、7月からユーザーテストが開始されます。
急騰相場の後に軟調な展開となったとしても、ユーザーテストを終えた後の先物取引開始への思惑が高まる可能性があります。
2.ライトコインの半減期
半減期とは、マイニング報酬が半分になる時期のこと。仮想通貨のほとんどはマイニングによって獲得され、市場に流通します。その仮想通貨はいずれ売られるために、潜在的な下落要因となります。しかし、マイニング報酬が半分になることは売り手の減少を意味するため、価格が上昇しやすくなります。
過去にビットコイン(BTC)やモナコイン(MONA)の半減期では、価格が大きく上昇しました。
8月には時価総額上位の仮想通貨ライトコイン(LTC)の半減期が予定されています。
- ライトコイン(LTC)の半減期:2019年8月6日前後
◇モナコイン(MONA)日足チャート
3. リップル社の年に一度の重要イベント
日本人投資家に人気の高いリップル(XRP)。その最重要イベントとされるSwellが過去2年は秋に開催されています。
金融や政治を司る要人が未来の送金技術について議論するカンファレンスであるSwellでは、2017年に元FRB議長であるベン・バーナンキ氏、2018年には元米国大統領ビル・クリントン氏がスピーカーとして登壇しました。
リップルに関する重要な発表も予定されている可能性が高く、2018年のイベント前にはXRPが30円台から70円台へと2倍以上も上昇しました。
今年のSwellは11月7、8日にシンガポールで開催されます。過去のイベントのように、登壇者のコメントやリップル社からの発表が相場に大きなインパクトを与える可能性が考えられます。
- Swell2019:2019年11月7、8日
◇リップル(XRP)日足チャート
◇今後注目される仮想通貨
- ビットコイン(BTC)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)
まとめ
投資初心者の方から、仮想通貨はニュースが無く唐突に上昇したり下落するからよく分からないという質問が多くあります。
しかし、ここでの説明でも分かるように、実際は非常に多くのニュースがあり、それを受けて相場が動いています。
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