ここ2カ月でビットコイン(BTC)は2倍以上となる上昇を記録。
4月に45万円台であったビットコイン(BTC)が、5月に90万円になることを予想できた人は少ないのではないでしょうか。
アルトコインも大きく上昇し、時価総額上位のイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)などは年初来高値を更新しています。
今回は、個人投資家が今年はどのような投資を行ったか。また、この上昇相場をどう感じているか取材しました。
暴落後の仮想通貨を買い漁る
まずは、みんなの仮想通貨のコラムニストであるひろぴーさんです。
ビットコインキャッシュのハードフォークが原因となった2018年11月の暴落の際に空売りで利益を出すことに成功したひろぴーさんは、年明けからビットコインの底打ちを予想。
アルトコインでは、ライトコイン(LTC)のチャート形状が良いことに注目。また、バイナンスが分散型取引所(DEX)を開始することに着目(ビットコインの反落を横目にバイナンスコイン(BNB)が最高値更新!)し、大きく投資したといいます。
その後、ライトコイン財団が匿名技術であるミンブルウィンブル実装のため、ビーム(BEAM)との提携を発表。
バイナンスはローンチパッドの人気とアップデートが評価され、BNBが買われることとなりました。
3月末には、ビットメインがマイニング事業に多額の投資をしたことを受け、主軸をビットコインに移したという。4月にビットコインが急騰した後も、個人投資家の多くが買えていないことから買い増しを行ったという。
先日ひろぴーさんは、ビットコイン(BTC)の値動きが2017年と酷似していることから、今後も同じような値動きとなった場合は5月末に120万円になるという記事を書いています。
参考:2017年を彷彿とさせるビットコインの急騰、2年前の値動きと一致する!?
興味深い内容なので、ぜひ読んでみて下さい。
米国株の好調が仮想通貨市場へも波及すると予想
次に紹介するのは、株式投資を中心にFX、仮想通貨、225オプションなど多岐に渡る金融商品を取引する専業投資家Tさん(40代男性、神奈川県)です。
Tさんは仮想通貨のアービトラージを1日50回行う日もあるというほど、アクティブな投資家です。
年初から、米中貿易問題が解決に向かうという思惑から米国株式市場が強い動きを見せていましたが、これが仮想通貨市場へ資金が流入してくる材料になると予想。3月から積極的に仮想通貨に投資を行い、4月以降の急騰で利益を出したそうです。
金融市場のファンダメンタルズは好調で、米国長期金利の上昇が一服し、中国市場とナスダック(特に半導体のSOX指数)は年初から暴騰。株式投資でもリスクオンの流れに乗れたと語ります。
また仮想通貨の材料としては、交換業者の認可に注目。1月にコインチェックの認可が下りたことはもちろん、TOATAOやディーカレットなど新規の交換業者にも比較的早い段階で認可が下り、金融庁の姿勢が締め付けから緩和方向に変化したことを認識。今後の仮想通貨市場の好転を期待したと言います。
仮想通貨のボラティリティを生かす
40代のFUMIさん(40代男性、東京都)は、仮想通貨には詳しくないものの、値動きの良さが魅力的だと語ります。
トレード歴は14年あるというFUMIさん
年初はFXを取引していたものの、2月にはLINEグループでライトコイン(LTC)が話題になったことを受け即日に購入。4日後には着実に利益を確定。
また、長らく動きがなかったリップル(XRP)に注目し、5月14日に35円台で購入し、その日の午後に40円台になったところで利益確定をするなど、仮想通貨の値動きの良さに着目し短期売買を繰り返しているという。
今後の見通しとしては、仮想通貨全体が盛り上がってきており、SNSやLINEグループで、徐々に仮想通貨の話題が賑わっていることを感じているという。テクニカルトレーダーの同氏の見立てでは、まだ完全な上昇トレンドではないと分析しているようですが、ここ最近の盛り上がりで、下落トレンドを脱して来ているという印象だそう。
アルトコインへの投資は、送金の早さと日本人から安定した人気のあるXRPを購入し取引所間の送金に利用。盗難問題で大きく値を下げたネム(XEM)への投資を検討しているという。
なお、Tさんへの取材は5月14日でしたが、XEMの価格はこれまでに7円から一時14円にまで高騰しています。
現物取引とレバレッジ取引を使い分ける
仮想通貨へ投資を行う人にはエンジニアが多いのですが、仕事と子育てを両立するNさんもその一人です。
アルトコインへの投資は様々な情報を収集する必要があり、忙しい主婦には難しいという理由から仮想通貨への投資はビットコイン(BTC)に限定。2月24日にビットコイン(BTC)の価格が急落した際に購入し、その後は現物取引とレバレッジ取引を使い分けながら売買を繰り返したといいます。
4月に入ってからは現物のポジションは売却せず、ビットフライヤーのビットコインFXで投機的な取引に集中。Fさんと同じく、値動きの良さが仮想通貨の魅力だそうです。
押し目待ちに押し目無し
これまで紹介した投資家は、上昇の波に乗っていました。
しかし毎日価格を見ていたにも関わらず、思うような取引をできなかったというのがKさん(30代男性、埼玉県)です。
4月にビットコイン(BTC)が急騰した後に、テザーの問題が出てきて早朝に価格が急落。その後は、テザー建てのビットコイン価格が急騰するとともに、テザーを売却しビットコイン(BTC)へと資金が集まる動きとなり、この流れは読めなかったと言います。
また、指値を出していてもそこまで価格が下がらずに相場が上昇してしまい、トレードが上手くいかなかったと肩を落としました。
ただ、塩漬けとなっていたアルトコインが2倍以上になったことで資産は増加しており、相場の恩恵にはあずかっているようです。
この他にも多くの投資家にお話をうかがいましたが、ほぼ全員が2017年から仮想通貨への投資を行っており、それ以前にも株式投資やFX取引を行っていた方ばかりです。
その多くが、2017年の上昇相場の再来を期待しており、今後の上昇も見越しているそうです。
その理由として、ひろぴーさんの記事にあるように2017年の値動きと似ていること、国内業者の認可が下り始めたこと、ライトコイン(LTC)の半減期が7月にあることを挙げていました。
意外にも、ここまで上昇したから天井圏ではないか、という懐疑的な見方は皆無でした。
相場に目を向けると、本日も主要アルトコインのほぼ全てが年初来高値を更新していますが、相場が盛り上がった要因とされているコンセンサス2019は明日で閉幕します。
2017年は、コンセンサス2017が閉幕すると同時に10万円以上も急落しました。過去の値動きと同じになると期待している投資家が多いようですが、値動きをなぞるとビットコイン(BTC)の次の展開は急落となるのではないでしょうか。
※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。