2018年12月の国内仮想通貨交換業者の現物取扱高である7774億円のうち、48%にあたる3736億円の取扱高を誇っているbitbank。
参考:仮想通貨取引所「ビットバンク」、国内取引量シェア48%を達成
今回はマーケティング担当者に、bitbankの強みや今後の展開について取材しました。
聞き手:みんなの仮想通貨 児山 将
bitbankの強みと個人投資家におすすめできるポイント
bitbankの強みは安定した取引システムや高い流動性、使いやすいインターフェイスを提供していることです。
リップルの取引高は世界でもトップクラスであり、ビットコインキャッシュの取引高も高くなっています。
また、スマホアプリは使いやすいスマートなデザインとなっており、70以上のテクニカル指標が使えるTradingVeiwも採用しています。
bitbankのスマホアプリ↓
手数料無料化の終了に関して
2019年1月5日以降、手数料体系の変更を行いました。
それまで行っていた手数料無料キャンペーンは終了し、メイカーとテイカーに分けた体系となりました。
メイカー | テイカ― | |
全ての通貨ペア | -0.05% | 0.15% |
参考元:売買手数料
メイカー:流動性をつくる取引(指値注文など)
テイカー:流動性を取り除く取引(成行注文など)
これにより売買高に少し変化はありました。しかし、現在はプレミアムキャッシュバックという形で毎月の合計売買金額が1億円を超えたお客様に対して集計期間内の全取引のテイカー手数料の20%をキャッシュバックしています。
2019年2月は1,083万円分のキャッシュバックを行いました。流動性は仮想通貨取引所の命とも言えますから、利用者を優遇したいというのはもちろん、流動性を保つために還元を行っています 。
みんなの仮想通貨にあるリップルページ↓
※Binanceは対BTC、USDT、BNBの出来高も含むので、対JPYの取引高はbitbankがトップ
セキュリティー施策について
2018年10月9日時点におけるICO Ratingにおいて、国内業者ではセキュリティーでNo.1となっています。
取り扱いのある仮想通貨は、全てコールドウォレットに対応しております。また、イーサリアム以外のマルチシグ化にも対応しており、高水準のセキュリティーを担保できています。イーサリアムについても、マルチシグについて検討を行っている最中です。
ーー多くの人の疑問だと思いますが、イーサリアムのマルチシグ化を行っていない理由はなぜでしょうか?
イーサリアム・アドレスのマルチシグ化というのは、スマートコントラクトを使って行うものです。昨今イーサリアムのスマートコントラクトの脆弱性をついて、不正移動できてしまうということが発生しております。そういった事態を鑑みて、マルチシグを実用化するためにはどうしたら良いのかを研究開発している状況です。
ーー1月にはカナダの取引所でコールドウォレットの管理者が代表1人だったため、代表が亡くなった際に取り出すことができないという事態に陥りました。かなり稀有なケースだと思いますが、国内の取引所ではこういった事態は発生しないでしょうか。
弊社は複数人による管理を前提としたシステムを構築しています。仮にもしその権限を持っている方に不測の事態があったとしても、適切な引き継ぎが行われることになっています。
ーーウォレットが強固だと、送金に時間が掛かったり金額制限が起こったりする交換業者が多くなります。そういった点はいかがでしょうか。
送金時間に関しては、最大1~2営業日かかると記載がありますが、基本的に即時に近い対応を行っております。
また、仮想通貨の送金限度額に関しては、仮想通貨ごとに日時で制限が掛かっています。
通貨 | 最低出金額 | 出金限度額/日 |
日本円 | 1,000円 | 無制限 |
BTC | 0.0001 | 1,000 |
LTC | 0.001 | 1,000 |
XRP | 20 | 3,000,000 |
ETH | 0.001 | 500 |
MONA | 0.01 | 100,000 |
BCC | 0.0001 | 1,000 |
※金額や仮想通貨ネットワークの状況によって反映が遅れる場合があります
カスタマーサポートについて
bitbankはもともとカスタマーサポートに力を入れており、今も高品質な対応ができるようにフローも改善しておりまして、品質についても高い評価をいただいております。
他社では、カスタマーサポートは外部を利用していることもあるようですが、専門的な内容も多いのでユーザーにとって迅速かつ丁寧で分かりやすい対応を行うには、自社で行うことが大事だと考えております。
本質的には、サポート 体制の強化についても大事ですが、使いやすいUI・UXを実現するということに重きを置いています。社員には元々仮想通貨のトレーダーだった人もいますので、トレーダー的思考での開発ができているかと思います。
今後のアルトコインの取扱いに関して
取り扱い通貨に関しては、増やしていく方向性で間違いありません。
まだ具体的にコメントできる段階ではないですが、専門チームが情報収集と研究を行っている最中です。グローバルで伸びている仮想通貨に関しては、成長の理由や開発の体制について随時調査を行っています。
取り扱い通貨の選定基準に関してですが、まずは流動性が重要となります。
そして、セキュアな取り扱いができるか否か。最後にbitbankのビジョンに合致しているものか否か。こういった点を総合的に吟味して決めていく方針です。
サーバーの稼働率、注文の約定率に関して
おおむね安定している状況です。稀にスムーズに取引できない事象も発生しますので、その点については現在改善に向けてエンジニアチームが動いています。今後はさらなる安定を目指していきます。
現状の仮想通貨業界に関して
2014年ごろの黎明期と比較すると、金融庁の管轄となったこともあり、一定の技術力・資本力・運営力がある業者のみが生き残っていけるという業界になってきていると感じます。業界全体として運営のレベルは向上しており、本格的な仮想通貨時代 の到来に向けて着々と準備が整えられている状況かと思います。
ーー日本の厳しすぎると思える規制は個人投資家や交換業者にとって良かったのでしょうか。また、その弊害などはありますか?
仮装通貨に関する法規制の適応は世界的な潮流であり、日本だけのことではありません。社会が仮想通貨 を受け入れるためには、必要なことだと思っております。先んじて法規制が進んでいる日本は、むしろ仮想通貨先進国になるチャンスがあるとみています。
ーーリクルートがビームディベロップメントへ出資するなどのニュースがありましたが、これらをどう見ていますか?
元々bitbankも社会に対するブロックチェーン及び仮想通貨の応用には可能性を感じているところです。仮想通貨の応用の可能性を高めるためにも、取引所が作り出す流動性は重要だと考えています。ブロックチェーン及び仮想通貨の技術が社会実装されていく中で、仮想通貨取引所の存在意義も増していくと考えています。
参考:リクルート、機密情報に配慮したブロックチェーンを提供するBeamへ出資
――ありがとうございました!