米国最大手の仮想通貨(暗号資産)取引所を運営するコインベースは、早ければ2020年にIPOを行う予定だとロイターが報じました。もし承認されれば、米国では仮想通貨取引所で初の上場となります。

参考:Exclusive: Cryptocurrency exchange Coinbase readies stock market listing: sources

ここ最近、仮想通貨が急に動意し始めた背景には、こういった動きがあるのかもしれません。

なお、コインベースの時価総額は2018年の時点で9000億円程度と評価されていたため、仮想通貨市場の地合いによっては1兆円企業となる可能性も十分あります。なお、マイニング大手のビットメインの時価総額は2兆円程度とされています。

コインベースが運営するCoinbase Proは取引所として高い評価を受けており、コインマーケットキャップの取引高の信頼性を示す指標では100%となっています。

なお、1日の売買代金は330億円以上。(7月10日時点)取り扱い仮想通貨は28、通貨ペアは67種類となっています。

ビットコインの現物取引ではグローバルで5位以内に位置しており、90億円程度の規模があります。

かつては、取り扱い仮想通貨を厳選しXRPの取り扱いも行っていませんでしたが、2019年から方向転換。テゾス(XTZ)やコスモス(ATOM)などの時価総額の高い仮想通貨の取り扱いを開始しました。2020年にはベーシック・アテンション・トークン(BAT)の取り扱いを開始。BATの上昇に弾みがつくこととなりました。

コインベースは取引所だけでなく、カストディー部門も世界最大規模となっています。2019年8月16日には、カストディーサービスを提供するザポ(Xapo)の法人向け事業を買収しています。2019年に、コインベース・カストディーは70社を抱えていたものの、その預かり資産額は約10億ドル程度でした。しかしザポを買収したことで53億ドルが加わりました。ビットコインでは、51万4000BTC以上を保管していることとなり、これは発行枚数1800万枚程度あった3%近い量となります。

なお、買収金額は約58億とされています。ザポといえば、世界一セキュリティーが厳重な企業の一つとしても知られており、コールドウォレットの一部がアクセスが難しい山間部の地下にあり、 周囲を電子セキュリティーで保護しているそうです。しかも、 保管場所は5大陸に分散されているというのですから、 ネット回線からハッキングというのは不可能と言えそうです。

 

そんな巨大企業であるコインベースの上昇で、少し盛り上がりに欠けている仮想通貨市場のムードが好転することを期待したいですね。