米大手暗号資産ファンドであるグレイスケールは、暗号資産市場において※クジラともいえる存在です。
※市場において運用資産の大きな機関投資家などを指す

同ファンドの預かり資産は右肩上がりに増加しており、2020年上半期にそれまでの約90%も増加しています。増加ペースは凄まじく、1-3月が5億370万ドルに対して、4-6月は9億5080万ドルとほぼ倍増。7月末時点において、グレイスケールはおよそ4870億円、39万BTCを保有しています。

6月には約5万BTCを買い付けており、これはマイナーの得る新規発行枚数の2倍にものぼります。つまり、変動がなかった107万円から97万円へ下落した6月11日や、95万円を付けた6月15日はグレイスケールの買いが入ったことで下げ止まったり、下髭を付けたりしたのではないでしょうか。

6月のような売買代金が低迷した状況において500億円ものBTCを売買することは、そういった急落時でないと厳しいでしょう。OTC取引とはいえ、最終的にはどこかでBTCが購入されるわけですから、当然市場に影響を与えることになります。これは、ビットコインの強烈な下支え要因と言えそうです。

値動きを見てみると、急落した翌日には反発していることから、そのあたりでグレイスケールの資金が出動したと考えられます。

特に95万円割れは、主要なマイナーの損益分岐点ともされているため、買いやすい水準でもあります。

そんなグレイスケールは、8月11日から全米でCMを開始しています。

 

グレイスケールは代表的な例ですが、他にも巨額の資金が流入していると相次いで報じられています。

●著名ヘッジファンド運営者のポール・チューダー・ジョーンズ氏

自身の資産1%をビットコインに投資していることを明らかにしました。

●ビジネスインテリジェンスサービスを提供するマイクロストラテジー

インフレヘッジ手段としてビットコインを購入。今後、12カ月で最大2億5000ドルをビットコインやゴールドなどの代替資産に投資する戦略を発表。

これらは大規模な金融緩和の他にも、ビットコインへの投資環境が整ってきている結果でもあるではないでしょうか。