米バイデン政権が提出した「予算教書」によると、歳出が6兆ドル規模という巨額となっています。2020年度の総額が1兆4000億ドルであったことを考えると、驚きの数字です。

事前にブルームバーグなどからリークがありましたが、 投資家の間では「満額回答になるはずがない」と懐疑的でした。

同時にバイデン大統領が提案する増税案により、今後10年間で3兆6000億ドルの歳入を見込んでいるそうです。

この予算案が通るとは思いませんが、減額となったとしてもかなりの規模の財政出動が行われることになりそうです。

これを受けて市場はリスクオンで反応。株高、ドル高となり長期金利は上昇しました。

やはり、これだけ財政拡大を行うとなると、インフレ懸念が浮上します。

直近出てくるインフレ関連の経済指標を見ると、経済再開とともに着実にインフレが進んでおり、上場企業の決算説明会でもインフレを懸念する発言が非常に増えているそうです。

ゴールドもここ2週間ほど強含んでおり、投資家のインフレ懸念を織り込みにいく動きが反映されているようです。

今年の後半は、よりインフレ経済を意識した相場動向となるのではないでしょうか。

先日から、大手アセットマネジメントのブラックロックはハイテク株から公共株に運用主体のシフトをはじめました。バイデン政権の大幅な財政出動を見込んでいたのでしょうか。

いずれにせよ、巨額の財政出動が市場に反映される相場が始まることになりそうです。

そんななか、5月半ばから弱い動きとなっていた仮想通貨市場は、現在も軟調な展開が続いています。半年以上続いた上昇トレンドが崩れたことから、ある程度は時間的な調整が必要なのではないでしょうか。

しかし、ビットコインはインフレヘッジとして注目されていますので、現在の経済状態をみると先行きは明るいといえます。

先週は、企業乗っ取り屋の異名を持つアクティビストファンドを運営するカール・アイカーン氏が、ブルームバーグの取材で仮想通貨への興味を示したと語りました。

同氏はトランプ政権の元顧問で、資産は1兆6000億円も保有しているといわれています。ヘッジファンドの報酬も、2000億円を超える年があるなど、敏腕投資家として知られています。

同氏は、以前は仮想通貨に否定的でしたが、レイ・ダリオ氏のビットコインの保有を知り、考え方を変えてきた可能性があります。

10億ドル、15億ドルというテスラ規模の大規模な投資を検討していると発言したこともあり、ビットコインの大きな底打ち材料と考えられます。