12月4日には520万円まで急落したビットコインですが、週明けから上昇に転じ、昨日は590万円を付ける場面もありました。650万円からの下げ幅の約半値戻しとなったことで、仮想通貨(暗号資産)市場のムードは再び明るくなったように感じます。
主要仮想通貨では、ポルカドットの値動きが一番強いですが、時価総額が5000億円規模のテゾスやビットトレント、インターネットコンピューターなどは10%程度の上昇を演じています。
また、11月末から12月にかけてBITPOINTとbitbankが取り扱いを開始し、12月のどこかでbitFlyerも取り扱う予定となっているチェーンリンクも買われています。
一方で、11月の仮想通貨市場の主役だったメタバース関連のディセントラランドやエンジンコインは売られており、相場の変化が分かる動きとなっています。
目まぐるしい金融市場
株式市場も大きく反発し、NYダウは週明け2日で1000ドルを超す強い上昇となっています。ここ最近は毎週こういった展開となっているのですが、今週も多くの投資家は虚をつかれた格好となっているのではないでしょうか。
中国恒大集団を巡って政府が支援するとの発表がされていたようですが、結局ドル建ての支払いはされないままとなりました。政府から債務整理フォローが入っているため、事実上の管理ポスト入りでしょう。
しかし、中国政府がソフトランディングを事実上目指す方針をとってきたこと、つまり公的な清算を目指すことが判明したことで市場に安心感が生まれてきました。さらに同時に預金準備率引き下げを行うなど金融緩和に動いてたことにより、当局の本気度を示す展開となっています。
中国恒大集団のデフォルトが騒がれた9月末から10月相場を思い出します。その時も、中国は資金供給短期オペを増額するなどしたことで、相場は10月いっぱいは大きく上昇しました。
来月には、中国の不動産市場では7000億円相当の利払いがあるようです。そのデフォルトリスクを軽減するためにも、当局はソフトランディングとなるように火消しに回るのかもしれません。
金融市場は、11月26日オミクロン変異株の報道を受けた後に、再び中国恒大集団問題のダブルパンチを受けました。そのため、FRBのテーパリングを順調に織り込みながら経済回復が進むといったそれまでのシナリオが崩れたことで、多くの投資家は一度ポジションを閉じざるを得なかったでしょう。
しかし、今週のこの上昇です。多くの市場参加者がつかれてきており、買いか売りか迷っているでしょう。
つまり、今後は一方向に相場が動くことにはならず、大きな材料が出るまではポジション調整を伴って値動きが収れんするようなレンジ相場を形成するのではないでしょうか。