2023年末のBTC相場は400万円と予想する。ドル建てで3万ドル、ドル円が約130円で計算している。年前半は現水準で横ばい推移となり、年後半から年末にかけて上昇していくイメージだ。
昨年はメイン(60%)サブ(30%)リスク(10%)の3通りのシナリオを示した。
結局メインとサブとの間に着地したが、予想が的中したかやや曖昧となったため、今回は予想をひとつに絞ることとした。
2022年の振り返り
2022年のBTC相場は大幅下落。2020年のコロナショック後の史上最大の財政支出と史上最大の金融緩和に不安を覚えた一部の米投資家のインフレヘッジ需要から2020年末から2021年にかけてBTCブームが発生した。しかし、2021年11月にFRBが金融政策を転換するとBTCは7万ドル手前でピークアウトした。
2022年に入ると市場の想定を上回るインフレの高止まりとFRBのタカ派姿勢によりBTCは下落。加えて、テラ事件による信用不安も加わって6月には2万ドルを割り込んだ。
夏場以降、原油価格の低下もあり米インフレ上昇が一服、テラ事件以降の信用不安の連鎖も落ち着き、BTCも2万ドル近辺で下げ渋った。
しかし11月にバイナンスに次ぐ最大手交換所FTXが破綻すると2万ドルを大きく割り込み、1万6000ドル台での取引が続いている。
BTC相場の変動要因
BTC相場の変動要因を考える時、ついついBTC市場特有の要因を探ろうとするケースが多く、その結果、議論は迷走してしまいがちだ。一方で、他の金融市場と同じ材料で全てを説明しようとするのも無理がある。こういう時は、まず基本に立ち返ることが重要だ。
ではその基本とは何かというと、「市場」とは売りと買いの数が同数になる様に価格を調整する仕組みであるという点だ。
よく市場で「買いが多い」とか「売りが多い」といった表現が見られるが、正確には誤りだ。市場において売りと買いの数は常に同じだ。そして、一般的に価格が上がれば「この価格なら売ってもいい」といって売りが増え、下がれば買いが増える。そうした価格を調整しながら売りと買いとが同数になる点を求めて波のようなかたちで上下動するのがマーケットの機能だ。従ってBTCに限らず、すべての市場の価格変動は需給によって決まる。
するとひとつの大きなヒントが見えてくる。BTCの供給は一定である点とその供給は4年毎に半分になる点だ。供給面で見れば、BTCの供給は一定で4年毎に半減するので、BTC相場は4年サイクルで動いていることが分かる。その中で、マイナーの懐事情により早めに手放したり、長めに保有したりする訳だが、1年単位で見ると概ねサイクル通りの値動きを繰り返している。
この点に注目したことで、2020年末の上昇や2021年のピークアウト、2022年の低迷をずばり予想できたわけだ。
BTCの4年サイクル
具体的には、半減期を迎えると、直後はマイナーの収支が悪化して相場は低迷する。しかし、供給減が効き始め半減期から1年から1年半後にピークを迎える。そしてバブルが崩壊し半減期から2年から2年半後にボトムを迎える。そこから1年半か2年かけて次の半減期に向けて相場はじりじりと回復していく。
そのサイクルで言えば2020年5月の半減期の2年半後である2022年11月の安値がボトムであった可能性が高い。ただ、後程述べるが2023年初頭にもう一段の下げがある可能性は否定できない。いずれにせよ、年末にかけてBTC価格は上昇していくと考える。
4年サイクルの供給面だけからその水準を予想するのは難しいが、2018年12月にボトムを付けた翌2019年末はそのボトムのほぼ2倍となった。その前のサイクルのボトムは2015年1月でその2015年末にはボトムから2.6倍強に上昇した。いずれも年央に1度小さなピークを迎えている点も似ている。今回のサイクルのボトムが1万5000ドルと想定すると3万ドルから4万ドル、1ドル=130円換算で390万円~520万円ということとなる。
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