2024年のビットコインは、実に話題豊富です。1つは半減期、そしてもう1つはETFの上場です。
これらはいずれもビットコインの価格上昇要因なので、市場もしっかりそれを受けて高騰が起きています。遂に6万ドルの大台を突破し、ここからさらなる上昇を見込む強気の投資家も多いなか、ビットコインマイナーはウハウハかと思いきや、実際のところはそうでもないようです。]
ビットコインマイニングの現場で何が起きているのでしょうか。
半減期は売り上げの半減を意味する
2024年3月時点で、まだビットコインの半減期を迎えていません。そのため、ビットコインのマイニング報酬は1ブロックあたり6.25BTCです。1BTCが900万円少々だとすると、1ブロックあたり6,000万円近くの報酬が得られることになります。
元よりビットコインのマイニングは競争が激しくなっているため報酬を得ることは簡単ではありませんが、それでも多額の投資をしてでも取り組む価値はあると思います。しかし、半減期になるとそれが3.125BTCになります。同じ労力(いえ、正確には競争激化によってさらなる労力)を使って、もらえる報酬だけが半分になるのですから、マイナーにとっては痛手です。2024年のビットコイン高騰は半減期によって供給量が減ることを材料視した高騰でもあるので、マイナーにとっては額面の報酬が半分になっても価格上昇がそれを補うと考えています。
事実、これまでの半減期でもビットコインは大きく値を上げてきました。それならマイナーにとって半減期は必ずしもバッドニュースではないのですが、問題はそれだけではありません。
材料出尽くしでビットコイン価格は停滞する見通し
半減期は4年に1回の出来事ですし、ETF承認は史上初の出来事です。それだけレアな話題が目白押しになっていることで昨今のビットコイン高騰が起きているわけですが、これだけの材料が出ることは滅多にありません。次の半減期はおそらく4年後のことですしETF承認が話題になることはもうありません。これで多くの市場参加者が考えるのは、材料出尽くしです。
一般的に株やFXなどでは材料が出る前は噂が噂を呼んで相場は大いに盛り上がり、実際にその材料が出てくるころには利益確定の動きが起きます。つまり材料が現実になったころには利益確定によってポジションを手仕舞いする人が多くなるため、相場は調整局面に入ります。その後調整が終わると相場は閑散とした状態になり、盛り上がりを失います。
これと同じことがビットコインで起きると仮定すると、2024年2月に起きている6万ドル超え、900万円超えというお祭りは材料が出る前、そして出た直後の動きです。これが一巡すると利益確定が大勢になり、大きな調整が起きるかもしれません。
事実、マイニングによってビットコインを得たマイナーのウォレットからは大量のビットコインが売却されていることが明らかになっています。つまり、マイナーの多くはこの相場でビットコインを売却する動きを見せており、「高いうちに現金化」という思惑が露骨に見えています。
ビットコインの2024年祭りが終わった後は、「宴のあと」が訪れるのでしょうか。