ビットコインなど主要な仮想通貨(暗号資産)は価格が高騰しており、それゆえに世界的なマイニングのスピード競争が激化しています。事業規模でマイニングをしている風景を見ていると、もはやデータセンターにしか見えません。かつては個人が自宅で使わなくなったパソコンでマイニングをするといった牧歌的な風景も見られましたが、それはすでに昔話です。
それでは、個人がマイニングビジネスに参入する方法はもうないのかというと、そんなことはありません。個人が今から始めるのであれば、クラウドマイニングも有望な方法です。
クラウドマイニングとは?
仮想通貨のマイニングには、ソロマイニングといって自宅などにマイニングの機材を設置して行う最もシンプルな方法に加えて、ネット上で同じようにマイニングをする人たちで「塊」を作ることによって大手業者に対抗するプールマイニング、そして今回紹介するクラウドマイニングがあります。
クラウドマイニングは大手業者並みのマイニング施設を整備して大規模なマイニングを行っている業者で、投資家はそのマイニング業者に対して出資をすることによってマイニング報酬の一部が還元される仕組みです。自宅に爆音マイニングマシンを置く必要がなく、また高額の電気代に悩まされることもありません。
そういったメリットが注目されて、今や個人がマイニングに参入する手段のひとつとなっています。
意外に多い、クラウドマイニングのメリット
クラウドマイニングには、多くのメリットがあります。ひとつずつ挙げていきましょう。
①マイニング設備を用意する必要がない
クラウドマイニングはネット上の仮想空間で間接的にマイニングビジネスに参入する手法なので、自宅にマイニングのための設備を用意する必要はありません。「常に掃除機をかけている感じ」といわれるようなマイニングマシンの爆音に悩まされることもなく、24時間マシンを稼働させておく必要もありません。
②初心者でも不利にならない
マイニングは世界規模の競争なので、その競争に勝ち抜くためのノウハウが必要になります。参入したばかりのマイナーにそういったノウハウはありませんが、クラウドマイニングであればすでに稼働していてノウハウも豊富な業者に「乗っかる」だけなので、初心者であっても不利になることはありません。
③機材の管理、電気代の負担がない
ソロマイニングをするためには、マイニングマシンが24時間稼働していられるように管理する必要があります。ネットワーク機器も正常に稼働している必要があるため、ネットワーク管理の技術も求められます。
そして何かと評判の悪い大量の電力消費が自宅の電気代に直撃するわけですが、クラウドマイニングであればそういった煩わしさとも無縁です。
最大の注意点は詐欺業者
とてもメリットの多いクラウドマイニングですが、最大のリスクであり注意点は、詐欺業者の存在です。ただでさえ仮想通貨の業界には「悪いやつ」が少なからず跋扈していますが、クラウドマイニングの世界にも悪いやつはいます。
かつて、マイニングエクスプレスというクラウドマイニング業者が詐欺であったことが発覚。国内でも多くの被害者が発生してしまいました。国内業者が少なく、クラウドマイニングの本場は海外です。海外業者の多くは真っ当な営業をしていますが、日本からその正否を判断するのは簡単ではありません。バイナンスなど大手取引所が運営しているクラウドマイニング業者であれば比較的安心感はありますが、それでも出資の際にはしっかりその業者の評判を見極めてからお金を出すようにしましょう。
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