ポイント
・6万9000ドル、6万6000ドル台付けるも、結局6万8000ドルを挟んでのもみ合い
・予想通りのPCEコアデフレーターで買われたが、DMMの大規模流出で失速
・バイデン大統領がイスラエル提案の和平案示すも肝心のイスラエルが消極的
・大統領がSAB121に拒否権発動、政界・金融界から非難の声
週末のBTC市場
週末のBTC相場はもみ合い推移。金曜日早朝に6万9000ドル(約1080万円)台、土曜日早朝に6万6000ドル(約1035万円)台を付けたが、概ね6万8000ドルを挟んでのもみ合い推移に終始した。
BTCは、ETFフローの回復やETH ETF承認などポジティブな材料に対し、中東情勢の悪化や米長期金利上昇によるリスクオフなどネガティブな材料も交錯する中、6万8000ドルを挟んで決め手に欠ける展開が続いていた。金曜日のオプションカットを前に7万ドルのストライクの影響か6万9000ドル半ばまで値を上げたが、7万ドルに到達前に失速した。
トランプ陣営が暗号資産政策についてイーロンマスク氏にアドバイスを求めたとブルームバーグが報じたが、同氏はXで否定している。
注目のコアPCEデフレーターは事前予想通り前月から僅かに低下、これを好感して米長期金利が低下する中、BTCは6万9000ドル手前に上昇した。しかし国内交換所DMMビットコインで482億円規模の流出が伝わると、月末のロンドンフィキシングに向けたドル買いの流れも手伝い、CME先物5月限最終取引時間に向けてBTCは6万7000ドル台に急落、その後、一時6万6000ドル台に値を下げた。
しかし、同じく月末要因もあり米長期金利が低下する中、引けにかけて米株が反発すると、BTCも6万8000ドル近辺に切り返した。
バイデン大統領がイスラエルが和平案を提案したと演説、受入れを促されたハマス側も前向きな姿勢を見せたが、ネタニヤフ首相が同国の終戦条件はハマスの殲滅で変わりはないとするなど、和平交渉の進展に疑問が生じている。また、大統領は、銀行などの暗号資産カストディ参入を事実上阻んでいるSECのSAB121規制の撤廃を求め上下両院で超党派で可決した法案に拒否権を発動した。全米銀行協会が拒否権を発動しないように大統領に求めていたことが判明、ルミス上院議員など暗号資産支持派から批判の声が相次いだ。他にもキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメントがBTCに注力するとしてETH ETFから撤退、21シェアーズが単独での申請に切り替えたことや、金曜日のETFフローは49百万ドルと14営業日プラスとなるなど、様々なヘッドラインが交錯したが、引き続き決め手になるものは見当たらず、方向感のない取引が続いている。