FSBがレポート発表:リスクに備え市場監視継続
金融安定理事会(FSB)が16日付で、クリプト・アセット市場(仮想通貨市場)の監視フレームワークに関するレポートを発表しました。
FSBは、先日紹介した金融活動作業部会(FATF)と同様、金融における国際的な規制などの基準を提案する基準設定団体(SSB)の一つになります。
今年3/19〜3/20に行われた20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議の時点では、各国・各機関が新興の仮想通貨市場をいかにして規制していくか足並みを揃えられる状態になく、各SSBに市場の監視とその結果報告を7月までに行うよう指示が出される形となりました。
今回のレポートは、そんなG20の指示の元、FSBと決済・市場インフラ委員会(CPMI)、証券監督者国際機構(IOSCO)とバーゼル銀行監督委員会(BCBS)が協業し作成したもので、今週末(7/21〜7/22)にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催される予定のG20で報告される見通しです。
同レポートでは、各組織のこれまでの活動や今後の活動計画の報告が記されており、その概要が下記の通りとなります。
- ・FSB:仮想通貨市場における金融安定を監視するためのフレームワークと測定基準をCPMIと協力し作成。
- ・CPMI:分散型台帳技術に関する分析を行い、決済技術におけるイノベーションを支援/監視/分析。
- ・IOSCO:ICOに関する経験や懸念を議論するためのICOコンサルテーション・ネットワークを設置。さらには、投資家保護が懸念される国内外のICO案件問題の対処を支援するサポート・フレームワークを作成中。また、取引所や実装段階にあるプロジェクトを巡る規制も議論中。
- ・BCBS:銀行による直接/関節的な仮想通貨へのエクスポージャー(仮想通貨がポートフォリオの内訳をどれだけ占めているか)を具体的に数値化し、その上で仮想通貨を巡るプルーデンス政策を明確化するか議論。さらにはFinTech業界における今後のイノベーションの監視。
以上の通り、全体的に仮想通貨や分散型台帳技術を巡るあらゆるリスクに備え、引き続き市場監視を行っていく方針が盛り込まれております。
<本記事ご協力>
ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供