2018年に入り、コインチェックの過去最大規模となるハッキング事件を経て、仮想通貨の高騰は影を潜める形となりました。一部の通貨が高騰することもあったものの、その勢いは2017年ほどでなかったと言えるでしょう。

しかし、そのような状況のなかで、リップル(XRP)は9月20日から21日にかけて30円から80円まで2倍以上の高騰を見せるほど、主要通貨の中では際立った動きをしています。

加えて、リップルに連られるかたちで仮想通貨市場全体の価値が押し上げられるという状況になり、リップルが仮想通貨市場に及ぼす影響は非常に大きなものであることを示す結果となりました。
今回は、リップルの価格を押し上げた要因について考察していきます。

価格動向について

リップルは9月前半の段階では30円前後での値動きを繰り返しており、一時30円を割ることもありました。しかし、18日になると35円を記録。徐々に上昇が始まり、20日の午後4時ぐらいから急激な高騰となり40円を突破!21日の午後11時には、一時的に75円を記録しました。その後は反落し、現在は50円程度まで値を戻しています。

◇リップル/円(XRP/JPY)4時間足チャート

リップルの本格的なプロジェクトは、現在のところネットワークシステム構築のみであり、まだ始動の前段階です。しかし、リップル建ての仮想通貨取引所が増加していることに加え、今回市場に与えた影響を鑑みるとリップルの価値は間違いなく、現在のレベルで落ち着くものではないと言えるでしょう。

価格高騰の要因に対する考察

リップルの価格高騰要因は、9月17日にリップルの決済システムの核となるシステムXRapidが近日中に本格的な稼働を行うと発表されたことにあると言えます。価格上昇を牽引したのは韓国市場であり、BithumnbやUPbitでは合わせて1000億、Binanceでも900億近くの出来高を記録しました。

XRapidに関しては、仮想通貨取引所だけでなく、国際決済会社であるMercuryFX、カード会社であるアメリカンエキスプレスが採用を発表しており、今後も提携を行う会社は増加すると見ていいでしょう。くわえて、アメリカの大手銀行PNCがリップルネットへの参画を表明しています。

残念なことに、米国証券取引委員会で未だにリップルが有価証券に該当するとの疑惑を掛けられ議論が続けられています。しかし、リップルはオーストラリアやフィリピンなどではコモディティ(商品)として扱われていることから、有価証券として扱われる可能性は低くなってきているのが現状です。

リップルだけでなく仮想通貨の法的位置づけが変わりつつあり、新たな投資家を市場に招き入れる動きも加速しています。そして、今後もリップルに関する提携・システムの始動などのプラスの話題はいくつも生まれていくことは間違いないと考えます。
リップルは個人投資家から人気が高く、銀行や大手企業との提携、国際送金を劇的に変えるという分かりやすい材料があります。

今回は、決済事業者向けプロダクトである「XRapid」が材料視されていますが、今後は金融機関向けの「XCurrent」、一般企業向けの「XVia」の動向についても要注目と言えるでしょう。

 

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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
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