仮想通貨市場

今週の仮想通貨市場の時価総額は、週中盤と後半に突発的な動きがあったものの、先週に引き続き方向感に欠ける値動きとなっています(第1図)。

週安値は30日2018億ドルで、週高値は1日の2102億ドルとなっており、先週の週高値と週安値のレンジ(47億ドル)よりは広いものの、依然狭いレンジとなっています。

今週の注目ニュースは、以下が挙げられます。

  1. ①カナダの仮想通貨取引所がTwitter一時停止で出口詐欺の疑惑が浮上
  2. ②コインチェックが経営収支を発表し一部サービスを再開
  3. ③金融庁がICO規制を整備していく方向性を発表
  4. ④テザー社がバハマの銀行との提携関係を発表

【第1図:仮想通貨市場時価総額チャート】

出所:coinmariketcapより作成

加仮想通貨取引所出口詐欺疑惑でユーザー困惑

カナダ・アルバータの小規模仮想通貨取引所Maple Change(メープルチェンジ)が10月28日、同取引所が保管する全ての仮想通貨がバグを原因に何者かに不正に出金され、調査の結果が出るまで返金は出来ないとTwitterで発表した後、アカウントを停止させました。

Twitterアカウントは翌29日に復旧したものの、突然のアカウント停止に「出口詐欺ではないか」との疑惑が浮上し、話題になりました。

同社のTwitterによると、残念ながら流出した分の顧客資産の全額返金はできないようですが、できる限りの損失手当はしていくそうです。

Maple Changeは主要仮想通貨データサイトcoinmarketcapにも載らないほど小規模なことから、取引量も相応に少ないと考えられます。

しかし、この先仮想通貨取引所に対するセキュリティ対策などの標準化が進めば、小規模な取引所は設備・人員投資に資金が回らなくなる可能性が予想されます。

また、その過程で小規模取引所がハッキングのターゲットになることなども考えられ、この先はセキュリティ面に投資ができる大手仮想通貨取引所が業界を席巻すると予想されます。

コインチェックの赤字発表:営業完全再開への投資

29日にはコインチェックを子会社として持つマネックスグループが、コインチェックの今年4月から9月の税引き前収益が8億4700万円の赤字だったことを発表しました。

コインチェックは一部サービスを停止していることもあり歳入が減少している一方、金融庁からの業務改善命令を受け体制整備への投資費用がかさみこのような現状になっているようです。

この日の相場は午後8時頃から急落しており、コインチェックの赤字発表が市場参加者の不安を煽った可能性が指摘されますが、翌30日に同社が新規口座開設と一部サービスの再開を発表した際は、相場はほぼ無反応でした。

発表によると、現在利用可能なサービスは以下のとおりです。

  1. ①口座開設
  2. ②BTC、ETH、LTC、BCHの入金と購入
  3. ③全取扱銘柄の出金と売却
  4. ④レバレッジ取引の決済と証拠金の入金
  5. ⑤円の入出金

テザー社が新たなバンキングパートナーを発表

米ドルの価値に1:1でペッグされるとするステーブルコインUSDTを発行するテザー社が11月1日、バハマの金融機関Deltec Bank & Trustで口座を開設したことを発表しました。

テザー社をめぐっては、10月2日に提携関係にあったプエルトリコのノーブル銀行との関係が決裂して以来、USDTの担保性に懸念が再燃し、10月15日には価格が1ドルから大幅に乖離していました(現在は終値ベースで0.99ドル台まで回復:第2図)。

【第2図:USDT対ドルチャート】

出所:coinmarketcap

今回のDeltecとの提携によりその信頼回復に期待が寄せられる一方、他社が発行するステーブルコインの台頭により、競争が激化してくることが予想されます。

USDTの時価総額は、先月のスキャンダル以降下落しており、現在は17億ドル台で推移、10月月初から10億ドルほどの下落幅となります(第3図)

【第3図:USDT時価総額チャート】

出所:coinmarketcapより作成

金融庁:ICO法整備で健全化へ

11月1日には、日本金融庁が「仮想通貨交換業等に関する研究会」の第8回目を開きました。

今回の研究会では、ICOに関する規制が議論され、金融庁は配当などが出る投資性のあるセキュリティートークンと、サービスの決済に用いられるユーティリティートークンを区別してそれぞれ適切な規制を整えていく方針を示しました。

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