コンスタンチノープル実施ブロック数決定
先週金曜日に開催されたイーサリアムのCore Devs Meeting(開発者によるミーティング)にて、次回ネットワークアップデートに当たる「コンスタンチノープル」を実行するブロック数が7,080,000番目に決定いたしました(推定日時2019年1月14日〜18日)。
コンスタンチノープルは、イーサリアムネットワークが予定する4段階に及ぶハードフォークアップデートの3番目に当たる「メトロポリス」の最終段階となるため、本アップデートの実施によりメトロポリスが完結することとなります。
今までに、第1、2段階となる「フロンティア」、「ホームステッド」、そしてメトロポリスの第1段階の「ビザンチウム」が実施されており、メトロポリスの後には第4段階目の「セレニティ」があります。
メトロポリス・アップデートのコンスタンチノープルは、当初、今年の11月に予定されていましたが、コミュニティ内での技術的な調整などにより延期となっていました。
本アップデートは5つのEIP*から成ります。
※EIPとは、Ethereum Improvement Proposal(イーサリアム改善案)の略となっており、コミュニティの開発者たちが将来的な技術的改善を目的としてGithubに投稿します。
こうした投稿の中から、有用性の高いものが議論と試験運用の末、実装に移るといったコミュニティの仕組みが取られています。
EIP 145
Bitwise shiftのEVM(Ethereum Virtual Machine)への導入により、より効率的な情報処理能力とガス代の削減の実現を目的としたアップデート。
EIP 1014
別名Skinny CREATE2。イーサリアム共同創設者のビタリック・ブテリン氏本人が提案したもので、ステートチャネルとオフチェーン・トランザクションを駆使したスケーリングソリューションを円滑に行うためのアップデート。
EIP 1052
Opcode「EXTCODEHASH」を駆使したガス代の削減とコードの効率性向上を目的としたアップデート。開発者がスマートコントラクトを用いて別のコントラクトのバイトコードをチェックする際に特に有用なアップデートとなります。
EIP 1234
マイニング報酬を現在の3ETHから2ETHへ減額し、PoWアルゴリズムをPoSへと移行する「ディフィカルティボム」を12ヶ月先に延期するアップデート。
EIP 1283
データストレージに対するガス代算出の新基準の提案で、こちらもガス代の削減を目的としたアップデートになります。
全体的にガス代の削減を目的とした改善案が目立ちますが、ガス代が高騰しやすいという点は長い間イーサリアム上で問題視されてきており、ユーザーおよび開発者視点からも改善が急務とされていた分野となっています。
この中で特に相場影響を与えやすいとされているのはEIP 1234で、ETH市場への供給スピードを抑制することで、ETH建てでみたインフレ率を抑制することが期待されています。
実は、現在のETHの市場への供給量は、ブテリン氏本人の予想をも上回るほどとなっており、過度なインフレ率の上昇が相場下落に関与していると指摘されています。
(参考:イーサリアム(ETH)マイニング報酬減額決定 インフレ抑制で価格上昇なるか)
イーサリアム(Ethereum)1.Xとは
また、今後のイーサリアムのネットワークアップデートに関する注目動向として「イーサリアム1.X」のパブリック化があります。
イーサリアム1.Xは、2019年のネットワークアップデート案に盛り込まれる予定となり、第4段階目のセレニティと並行してR&Dが行われるものです。
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