先日、「ビットコイン推定限界安値はどこだ?マイニング損益分岐で見る下値目途」でお伝えしたビットコイン(BTC)のマイニング損益分岐点が引き下がっています。
マイニングの損益分岐点はBTC価格の限界安値として意識されていたことが指摘され、テクニカルでいうサポートラインのような役割を果たしていることがいえます。
しかし、マイニングの損益分岐点は、新型マイニング機材の発売やネットワークのハッシュレートの推移によって上下します。
11月のBTC相場下落の背景には、マイニング最大手ビットメイン社のAntmier S15発売によるマイニング損益分岐点の低下があるとも推測されます。
S15のハッシュレートは28THと、それまで主流だったS9の倍のハッシュレートを誇ります。
また、ビットコインネットワークのハッシュレートは、他のネットワークのハッシュレートが今春より伸び悩んでいたなか、10月までは上昇基調を保っていましたが、10月上旬には天井を突き足もと急落の最中にあります。
これにより、採掘難度となるディフィカルティも10月18日から下落基調となり、損益分岐点の段階的な引き下げにつながっています。
【第1図:ビットコインネットワークハッシュレート&ディフィカルティチャート】
出所:Blockchain.comより作成
【第2図:ビットコインネットワークハッシュレートチャート(7日移動平均)】
出所:Blockchain.comより作成
参考記事:「下火」の仮想通貨市場でビットコインのハッシュレート上昇が示唆することとは?
先日の分析では、S15を0.10usd/kWhで運用した際の大凡の損益分岐点となる3700ドルが注目されましたが、本日13日時点でのディフィカルティでの損益分岐点は約3070ドルとなります※。
※前回紹介したS9とS15の損益分岐点は12月2日時点で算出したものとなっています。
こちらは、心理的節目となる3000ドルとほぼ同水準なので信頼度のあるサポートとなりそうです。
一方、S9を0.10usd/kWhで運用した際の大凡の損益分岐点は本日の時点で約5080ドルとなっています。
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