
ステーブルコインUSDCの発行元として知られるCircle Internet Financial(以下、Circle)が新規株式公開(IPO)に向けた準備を本格化させています。同社はこの重要なステップのために米大手投資銀行JPMorgan ChaseとCitiを起用したとしています。
Circleは2025年4月下旬までに米国証券取引委員会(SEC)へIPO目論見書を正式に提出することを目指しており、市場環境やSECの審査プロセスが順調に進めば、2025年6月より前のIPO実現も可能性として考えられます。
Circleが発行する米ドル連動型ステーブルコインUSDCは、仮想通貨市場における基軸通貨の一つとして広く利用されています。日本国内においても先日、SBI VCトレードでの取り扱いが開始されたほか今後はbitbank、bitFlyer、バイナンスジャパンといった主要な取引所での取り扱いも計画されており国内でのプレゼンス拡大も進めています。
ステーブルコインの重要性は単に仮想通貨取引の媒介手段にとどまりません。
Circleのジェレミー・アレールCEOは、以前から米ドルの国際的な地位低下に警鐘を鳴らしてきており、世界の外貨準備高に占める米ドルの割合が低下傾向にあることや地政学的な圧力の高まりを指摘し「米ドルは岐路に立っている」と述べ、デジタルドルとしてのステーブルコインの役割に期待を示唆していました。
My written testimony for @FinancialCmte Congressional hearing tomorrow. https://t.co/NBMbOvSZ07
— Jeremy Allaire – jda.eth / jdallaire.sol (@jerallaire) June 12, 2023
こうした中、ステーブルコインを取り巻く環境に追い風となる可能性のある動きも出ています。
2025年3月20日、ドナルド・トランプ米大統領が仮想通貨カンファレンス「デジタル資産サミット(DAS)」にビデオメッセージを寄せました。トランプ大統領はスピーチの中で特にドル連動型ステーブルコインに言及し、それが「米ドルの世界的な支配力を拡大する」手段となり得ると述べ、デジタル資産が米国の金融戦略において重要であるとの認識を示しました。
政府トップからの肯定的なメッセージはCircleのようなステーブルコイン発行企業にとってその事業の正当性と将来性をアピールする上で有利に働く可能性があります。
CircleのIPO計画はステーブルコインの規制や役割、そして米ドルの将来に関する議論が国際的に活発化する中で進行しており、今後の金融市場および規制当局の動向と共に大きな注目を集めることになりそうです。
記事ソース:Fortune
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