
米連邦預金保険公社 (FDIC) が新たな金融機関向け書簡を発行し、銀行が仮想通貨関連業務を行う際の規制を緩和していたことが明らかとなりました。
新しいガイダンスにより、FDICの監督下にある銀行は事前にFDICの承認を得ることなく許容される範囲の仮想通貨関連業務に従事できるようになります。これは、銀行が仮想通貨関連業務を開始する前にFDICへの通知を義務付けていた従来の書簡を事実上撤回するものです。
この変更によりデジタル資産関連サービスを提供したい銀行にとっては規制上の負担が軽減され、より明確な指針が示されたことになります。ただしFDICは事前承認は不要になったものの、銀行はこれらの活動に伴うリスクを適切に管理する必要があると強調しています。
「レピュテーションリスク」排除の動きと「オペレーション・チョークポイント」
並行してFDICが銀行監督の要素としてレピュテーション(評判)リスクを用いることを廃止する方向で検討していると報じられています。これは、ティム・スコット米上院議員が提出したFIRM法の委員会通過に関連しているとされます。
レピュテーションリスクの採用は1990年代に始まりましたが、「オペレーション・チョークポイント」と呼ばれる弊害が指摘されてきました。これは、規制当局が銀行に対し、特定の業種との取引を事実上制限するよう圧力をかける動きを指します。
過去にはオバマ政権下で、銀行に対し銃器やタバコなど合法ではあるものの政治的に好ましくないとされる業種との取引を停止するよう圧力がかけられた事例(オペレーション・チョークポイント1.0)がありました。さらにバイデン政権下では仮想通貨事業者や関連する個人への銀行サービス提供を拒否する「ディバンキング」行為が「オペレーション・チョークポイント2.0」として問題視されていました。
専門家は「仮想通貨にとって大きな勝利」と評価
トランプ前政権でAI・仮想通貨責任者を務めたデビッド・サックス氏は、レピュテーションリスクが「金融機関の業務慣行に関する否定的な評判が事実か否かにかかわらず、顧客基盤の低下、費用のかかる訴訟、収益減少を引き起こす可能性があるもの」と定義されている点を挙げ、曖昧で主観的な基準だと批判しました。そして、この仕組みが排除されることについて「仮想通貨にとって大きな勝利だ」とコメントしています。
今回のFDICによる事前承認撤廃とレピュテーションリスク排除の動きは米国の銀行による仮想通貨関連サービスへの参入を後押しする可能性があるとして注目されます。
記事ソース:FDIC
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