
米国議会ではステーブルコインの規制に関する3つの法案、「GENIUS Act」、「STABLE Act」、マキシン・ウォーターズ下院議員による未命名の提案が同時に審議されており、デジタルドルの普及やドル建てデジタル通貨の地位強化に注目が集まっています。
今月、上院銀行委員会はGENIUS Actを18対6という超党派の賛成多数で可決し、連邦レベルのステーブルコイン規制に向けた重要な一歩が踏み出されました。
GENIUS Actでは、「決済用ステーブルコイン」を「支払いまたは決済に使用され、発行体が一定額の米ドルと交換する義務を負う暗号資産」と定義しており、銀行型・非銀行型の両発行体を規制対象としています。マーケットキャップが100億ドルを超える発行体(TetherやCircleなど)はOCC(通貨監督庁)や連邦準備制度の規制下に置かれ、小規模の発行体は州レベルの監督を選択する仕組みになっています。
STABLE Actには、新たな「内在的担保型ステーブルコイン」(暗号資産だけで裏付けられるもの)の発行を2年間停止する規定が含まれており、既に存在するものを除いて新規発行はできなくなる見通しです。一方、GENIUS Actではステーブルコイン発行体を金融機関として位置づけ、Gramm-Leach-Bliley Actの下で顧客のプライバシー保護や個人情報管理を義務づけています。
こうした規制は連邦と州の二重構造を想定しており、イノベーションの促進と適切な監督の両立を目指す狙いがあるとされています。StripeやBank of Americaなどの大手金融機関もステーブルコインの導入を検討しているとされ、明確なルール整備が進めばリスクの軽減と普及が一層進むとの見方があります。
また、ドル建て準備金が要件とされており、多くの発行体が米ドル資産を保有することになり、その結果としてドルの信頼や利用が強化される可能性があるとも指摘されています。
規制を通じて米国がデジタル通貨環境を主導することで、ドル以外のステーブルコインやデジタル通貨がドルの地位を脅かすリスクを抑えられるとの観測が広がっており、デジタルドルを中心としたエコシステムの形成が期待されています。
情報ソース:CryptoSlate
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