
仮想通貨業界の最大手であるテザー社は、フィンテック企業Fizen Limitedへの戦略的投資を発表しました。この投資は、ステーブルコインの日常的な利用を拡大し、金融へのアクセスとセキュリティを向上させる自己管理型(セルフカストディ)ウォレットソリューションを強化することを目的としています。
Tether Announces Strategic Investment in Fizen to Strengthen Global Stablecoin Utilization and Self-Custody Solutionshttps://t.co/Jnh7nJdiSK
— Tether (@Tether_to) April 15, 2025
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Fizen社は、自己管理型の仮想通貨ウォレットとデジタル決済に特化しており、消費者がステーブルコインをより簡単に安全に利用できる先進的な決済技術を提供しています。テザー社はこの投資を通じて、実用的な仮想通貨ユースケースを実現し、消費者や企業に真の価値を提供するFizen社の取り組みを支援します。
金融包摂とステーブルコイン決済の課題
世界銀行のGlobal Findex Reportによれば、世界では依然として数百万人が銀行口座を持てず、金融サービスから取り残されているといいます。その主な理由として、金融機関への物理的な距離や口座開設に必要な書類を準備できないことが挙げられています。
ステーブルコインは、このような人々にとって、従来の金融システムに代わる有力な選択肢となり得ます。低い手数料、強化されたセキュリティ、ほぼ瞬時の取引といった明確な利点があるにもかかわらず、日常的な商取引におけるステーブルコインの実用化は、まだ十分に進んでいません。特に、店舗などでの加盟店利用が大きな課題となっています。
Fizenが目指す「ギャップ」の解消
今回のテザー社からの投資を受け、Fizen社はブロックチェーン関連の能力を強化し、複数のブロックチェーンエコシステム間でのステーブルコイン統合をよりシームレスに進める計画です。
Fizen社のソリューションは、ユーザーがステーブルコインを使って簡単に支払いを行えるようにする一方で、加盟店側はQRコードや既存のカードリーダーといったすでにある支払いインフラを通じて、即座に法定通貨での決済を受け取れるようにすることを目指しています。これにより、加盟店は仮想通貨決済導入のために新たな設備投資をする必要がなくなり、世界中の企業にとってデジタル資産決済がより身近で効率的なものになるといいます。
市場の予測では、QRコード決済の市場規模は2024年に3兆ドルを超え、スマートフォンの普及と摩擦がなく安全で便利なデジタル取引への需要の高まりを背景に、2025年までには利用者が22億人に達すると見込まれています。Fizen社はこの成長市場において、ステーブルコイン決済の普及を目指すとしています。
記事ソース:Tether
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