
人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」の発行元であるYuga Labsが、インフルエンサーのJeremy Cahen氏(オンライン名: Pauly0x)に対し、過去の商標権侵害訴訟で命じられた賠償金回収のため、同氏が保有する約40万ドル相当の暗号資産の差し押さえを求める申し立てを裁判所に行いました。
対象となるのは、4つのウォレットに分散されているビットコイン、イーサリアム、PEPEで、Yuga Labsによると昨年10月時点での総額は約40万ドルに相当します。
この動きの発端は、2022年7月にYuga LabsがCahen氏とアーティストのRyder Ripps氏を提訴した商標権侵害訴訟です。Ripps氏は、Bored Apeのイメージを流用した「Ryder Ripps Bored Ape Yacht Club」というNFTコレクションを「パロディ」や抗議として販売。その際、オリジナルのBored Apeにはナチスや人種差別のイメージが隠されていると主張していました。
裁判所はYuga Labsの主張を認め、2023年10月に150万ドル超の損害賠償を両名に命じました。その後、弁護士費用などが加算され、2024年2月の最終判決では賠償総額は約900万ドルに膨れ上がりました。この判決は2024年3月3日から強制執行が可能となっていますが、Cahen氏は賠償金の支払いに応じず、判決の執行停止も求めていない状況です。
Yuga Labsは判決確定後、Cahen氏の資産回収のため、同氏の会計士への召喚状送達や、Bank of America、Chase、Wells Fargo、Robinhood、コインベース、Binance、Geminiなど複数の金融機関・暗号資産取引所に対する差押令状の送達(連邦保安官が実施)といった法的手続きを進めてきました。
裁判所はYuga Labsによる暗号資産差し押さえの申し立てについて、まだ判断を示していません。NFTに関する知的財産訴訟から発展した賠償金回収の行方と、暗号資産の差し押さえという法的手続きの有効性が注目されます。
情報ソース:Courtlistener
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