2018年の仮想通貨シーンはコインチェック事件から幕を開けて、そのまま低調な推移を続けて一年を終えました。バブルと言われた2017年のような盛り上がりはすっかり鳴りを潜めて、プロジェクトによっては大規模なレイオフを実施するなど、軒並み地に足をつけて再スタートをきっています。
視点を変えて、仮想通貨ホルダーにとっての2018年はどんな年だったのでしょうか。
日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は2月20日にいくつかの統計情報を公開しました。JVCEAは日本の仮想通貨取引所の数字を合算したものなので、日本の仮想通貨ホルダーの動向が読み取れます。
もちろん、もっともシェアが大きいのはビットコインなのですが、2位につけているXRPのデータから興味深い傾向があることがわかりました。
日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)の統計情報の概要
概要
JVCEAの公開した統計情報の概要は以下の通りでした。
- 仮想通貨交換業者数(みなし業者含む):18社
※テックビューロ株式会社を除く - 現物取引高(平成30年12月次): 7774億51百万円
- 証拠金取引高(平成30年12月次): 8兆4152億81百万円
現物取引高上位仮想通貨
現物による取引高の上位6銘柄は以下の通り。
1. ビットコイン:4051億円
2. リップル:3051億円
3. ビットコインキャッシュ:300億円
4. イーサリアム:213億円
5. モナコイン:76億円
6. ライトコイン:5億円
感覚的にはリップルがかなりビットコインに肉薄している印象があります。現物取引に限定すると、ビットコインとリップルが2強ということになります。
取引所での保有額ではリップルが首位
意外なのは保有のデータです。保有額だとビットコインよりもはるかにXRPが多いのです。
注意したいのは、このデータは取引所での保有数の合算地なので、取引所以外のウォレットでトークンを保有しているぶんは含まれていないことです。
1. XRP:989億円
2. BTC:656億円
3. ETH:164億円
4. BCH:61億円
5. MONA:36億円
6. LTC:14億円
XRPが基軸通貨として浸透?
保有額でXRPがダントツ1位だったからと言って、「日本でリップルが大人気」と解釈するのはちょっと違うかもしれません。
あくまでも取引所での保有額なので、わざわざ取引所で保有する理由があると考えられます。
取引所で頻繁に売買する必要がある通貨ならば、取引所のウォレットで保存しておきますよね。XRPとBTC(時点でETH)は頻繁に売買する、つまり基軸通貨として利用されている可能性があるのではないでしょうか。
バイナンスも基軸通貨にXRPを追加したように、2018年は多くの取引所でXRP建てでアルトコインが買えるようになりました。中国発の新興勢力であるZB.comもXRP/BTC建の取引が人気です。
日本円でBTCやXRPを購入して、そこからアルトコインを購入するというフローが一般化した結果、取引所でXRPを保有するユーザーが増えたのかもしれません。
日本は世界有数のXRP保有大国?
JVCEAの統計データを受けて、Twitterユーザーから面白い考察が出てきています。高城泰さん(@takagifx)はこのデータを元に、主要仮想通貨の日本人保有割合をグラフ化しています。
昨日発表されたJVCEAの月次データから、主要仮想通貨の日本人保有割合を計算しました
BTCは1%弱なのに対して、XRPは6%を日本人が保有。国産のMONAは別格として日本人のリップル偏重、顕著ですね
MONA 68.8%
XRP 6.2%
ETH 1.1%
BTC 0.9%
BCH 2.0%
LTC 0.7% pic.twitter.com/RDWKzFdDnW— 高城泰 (@takagifx) February 21, 2019
ちなみに算出方法は「各コインの12月末時点での発行量と、JVCEAの月次データとの割り算」となっています。
各コインの12月末時点での発行量と、JVCEAの月次データとの割り算になります
— 高城泰 (@takagifx) February 21, 2019
この計算によると2018年末時点で、XRPの総発行量の6.2%を日本人が取引所で保管しているということがわかります。
繰り返しになりますが、このデータは取引所での保有が対象ですから、取引所以外のウォレットで日本人が保有しているXRPも合算すると保有比率はさらに高くなるはずです。
XRPをJPYで買う人は少ない
金融庁のデータから見るXRP
2018年の4月に金融庁が発表した資料「仮想通貨取引についての現状報告」を見てみます。
この資料の中の「取引に使用される法定通貨・仮想通貨のシェア」にはリップルに関する面白いデータがあります。
このグラフから、どの通貨でXRPが買われているかがわかるのですが、なんとJPYは全体の0.2%のみです。
法定通貨だとKRWとUSD合わせて40%ほどを占めているのがわかります。
最新のデータではZB.comが存在感
金融庁がデータのソースにしているCryptoCompareの2019年2月24日現在のデータを見てみましょう。
XRPが買われているのは、USTDとBTCだけでも60%を超えています。つまり、XRPはそもそも法定通貨よりも仮想通貨で買われていることがわかります。
取引所別の取引高比率のグラフを見ると、中国政府が主導しているとも言われている取引所『ZB.com』のシェアが40%超と圧倒的です。続いてBinance、HitBTC、OKEXという順番。日本の取引所は入っていません。
ZB.comは今年に入ってBinanceの取引高を抜いており、急激に存在感が増しています。
ZB.comにはもちろん日本のユーザーもいるでしょうが、やはり中国人ユーザーが大半を占めていることが予想されます。
日本人はXRPを多く保有しているが、取引高は中国
紹介したデータからわかることは二つあります。
- 日本人は取引所に大量のXRPを保有していて、保有量なら世界でも指折りである
- XRPの取引高で見ると日本は存在感が薄く、ZB.comの急成長に伴って中国人の取引が強い
XRPに限って考察するとこのような結論になりそうです。
ただしBTCに目を向けると、金融庁のデータからもわかるようにグローバルで見て約6割が日本の投資家によるものです。
日本人はFXが好きなので、投機としての仮想通貨熱はまだまだ日本は強い存在感を放っています。
リップル/XRPの関連記事
The post 日本のリップル人気は健在?2018年のXRPの保有・取引データを振り返る appeared first on Coin7 仮想通貨ニュースメディア.