先日、クロスチェーン技術コスモスを利用するための仮想通貨「Cosmos(通貨表記ATOM)」のクラウドファンディングの話をした。そこで今日は、もう一つのクロスチェーン技術ポルカドットについて考えてみたい。
Cosmosのジェネシスブロック保有者は1000人に満たないと書いたが、ポルカドットを利用するために必要な仮想通貨「Polkadot(ポルカドット、通貨表記DOT)」の保有状況はどうなっているのだろう。
公式HPによると、Polkadotの保有は50%がICOの購入者、20%がローンチ前に分配されたトークンの保有者、30%がウェブ3ファンデーションの保有という構成になっている。
Polkadotの供給量は計1000万トークンで、他の仮想通貨よりも大幅に少ない(少ないと言われるビットコインでも総供給量は2100万トークンだ)。Polkadotは2017年10月14〜27日に、ダッチオークション方式でICOが行われ、この供給量の半分(500万トークン)が売り出された。
ダッチオークション方式とは、売り手が高めに売出価格を設定し、買い手がつくまで価格を下げていく方法で、通常の競り上げ方式とは正反対のプロセスだ。ポルカドットのチームはこの方式をとることで、事実上の上限価格を設定するとともに、一部の投資家がトークンを買い占めてしまうことをほぼ不可能にした。
価格が下がるにしたがい、ICOに参加する投資家と資金が増えて、ICO期間終了前に売り出し分のトークンはすべて売り切れた。
PolkadotのICOには2つの特徴があった。
1. ICO開始から1時間以内に参加した投資家は15%のボーナスをもらえたこと。例えば、Aさんは開始直後に100イーサリアム(ETH)投資し、Bさんは取引開始から1時間過ぎてから115ETH投資した。Aさんは15%のボーナス加算対象になるため、最終的に115ETH分のPolkadotを入手できるというわけだ。
2. ICO終了後、参加者は全員、同一価格でトークンを購入すること。例えば、このICOでは500万トークンが売り出され、計48万5331ETHが支払われた。したがってトークン価格は、1DOT=48万5331 x 320 ÷ 500万ドル=31.06ドルとなる(1ETH = 320ドルで換算)。
COSMOSの場合と異なり、PolkadotのICOはシードファンディングや私募や公募はなく、ダッチオークション方式だけだった。イーサリアムベースのブロックチェーン情報サイト「Etherscan(イーサスキャン)」によると、このICO後、Polkadot保有者は3050人となった。
10万トークン以上を持つ「クジラ(大口投資家)」は4人だけで、保有量が100トークン以下の投資家が1801人(全体の約60%)を占めた。100トークンの値段は約3106米ドルだから、これらはおそらく個人投資家だろう。ダッチオークション方式は、競り上げ方式よりもフェアで「普通の人」が利用しやすく、その結果、Polkadotをより分散された形で配布できたようだ。
前述のとおり、ICOで売り出されたのは全Polkadotの50%で、残りの半分のうち30%はポルカドットのチームが保有し、20%はウェブ3ファンデーションが保管しており、今後売り出されることになりそうだ。
Polkadotは現在、Cosmosと同じように店頭市場で売買されている。これは、ポルカドットを立ち上げたギャビン・ウッドが、イーサリアムの共同設立者であることと関係していそうだ。
仮想通貨取引所TOKOKのPolkadot先物価格は、4月1日現在、1DOT = 1.6 ETH(約224ドル)と、ICO価格31.06ドルを7倍近く上回っている。
(記事提供:LongHash)
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