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地政学リスクとビットコイン価格【フィスコ・仮想通貨コラム】

2020/03/18 14:23
FISCO

かねてより、ビットコイン(BTC)価格は地政学リスクが高まると価格が上昇する場合が多いと指摘されてきた。直近では2020年1月3日、バクダード国際空港攻撃事件が発生してから10日間でBTC価格は17%上昇したことが記憶に新しい(価格はCoin Market Capより)。ここでは、地政学リスクの高まりとビットコインの価格推移を比較してみたい。

Dario CaldaraとMatteo Iacovielloによる地政学リスク指標(Geopolitical Risk Index, GPR)は、主要な11の国際新聞において地政学リスクの緊張に関連した単語の出現を1985年から月次でカウントしている。このGPRとBTCの価格推移とを比較すると、14~15年は同方向に動くことが多かった。17年後半は地政学リスクとは無関係にBTC価格が急騰したが、18年10月以降は地政学リスクとBTC価格の連動性は一定程度戻った。

次に、GPR(地政学リスク指標)の数値が高まった時期、つまりリスクが高いと判断された時期に発生したイベントを複数抽出して、それぞれの時期におけるBTC価格の値動きを米10年債利回りやSP500、金など他の金融商品と比較しながら振り返ってみた。

2014年以降に発生した地政学イベントの中で特にGPR値が高くなった11件を抽出して検証したところ、5件のイベントでBTC価格が上昇し、米10年債利回りが低下した。例えば、イギリスのEU離脱が決定した英国民投票ではBTCは当日に7%上昇し、その後20日間にも上昇したが、米10年債利回りは当日に0.17%低下するとその後も低下を続けるという典型的なリスク反応を示した。この他、2014年2月27日のロシアのクリミア侵攻、2014年7月17日のウクライナにおける航空機撃墜、2014年7月29日の欧米による対ロシア制裁決定、2020年1月3日の米イラン対立において同様の反応が確認された。

リスク反応を示した5件のうち4件はビットコイン価格が1,000ドルに満たない2014年~2016年までの期間に発生しており、BTC価格が低い方が典型的なリスク反応が起こりやすい可能性が考えられる。また、BTC価格だけを見た場合は2016年11月8日の米大統領選におけるトランプ氏の勝利や、2018年4月14日の米英仏による対シリア軍事攻撃、2018年4月16日のアメリカの中国通信機器メーカーへの制裁といったイベント発生後にも価格は上昇していた。

次に、リスク指数の高いイベント11件においてビットコイン価格とSP500の変化率を比較すると、そのうち2件でビットコイン価格が上昇し、SP500が下落した。例えば、英国のEU離脱が決定した国民投票の当日、BTC価格は7%上昇、SP500は4%下落するというリスク反応を示した。また、20年1月初頭の米イラン対立では、1月3日の国際空港攻撃の当日、BTCは5%上昇、SP500は1%下落した。

最後に、同じリスク指数の高いイベント11件についてBTC価格と金の価格の変化率を比較したところ、BTCと金価格が同時に増加するというリスク反応は4件見つかった。具体的には、2014年2月のロシアのクリミア侵攻、2014年7月のウクライナの航空機撃墜、2016年6月のブレグジット、2020年1月の米イラン対立激化である。ただし、BTC価格だけを見た場合は11件中8件のイベントに対して価格が上昇しており、金よりも反応していたイベントは多い結果となった。

GPRの値を元に地政学リスクの高まりとBTC価格の推移を振り返ると、BTC価格がリスクの高まりに反応する時期は一定程度存在し、またその反応はBTC価格が低い場合ほど大きいことが確認された。既往のビットコイン価格急落は流動性危機に巻き込まれたためと見られるが、純粋に地政学リスクの影響を抜き出すと、ビットコイン価格にはプラスに働いている可能性が高そうだ。GPRの反応とビットコインの価格推移は、ビットコインを「安全資産」と捉えるか否かの判断材料として今後も継続して注目したい。

<SI>

配信元: FISCO 株・企業報

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