ビットコイン(単位:BTC)は供給量の上限が21,000,000BTCと設定されており、約4年に1度半減期(マイニング報酬によって市場に新規供給されるビットコインが半減するタイミング)を迎える。次回の半減期は約1カ月半後の5月11日の予定で、需給が引き締まる同イベントに注目が集まっている。
半減期を迎える仮想通貨には、他にもライトコイン(LTC)やモナコイン(MONA)などがある。それぞれ過去の半減期前後の値動きを振り返ると、半減期当日よりも数週間ほど前にイベントを消化して価格が一度ピークを迎え、半減期を通過した後は底を打つまでの一定期間下落するというパターンが複数の事例に認められた。
まずは、16年7月9日のビットコインの半減期だ。BTC価格は半減期の20日程前にピークを迎えてイベントを消化すると、半減期から24日後の8月2日に547ドルまで価格が下落。この547ドルの底値を付けてから上昇に転じ、18年12月に過去最高価格の19,400ドルに達するまでBTC価格は右肩上がりの上昇が継続した。
半減期を通過してから価格がボトムに達するまでの日数は、ライトコインでは半減期通過から9日後(15年9月3日)、モナコインでは半減期通過から29日後(2017年8月14日)となった。半減期からおおよそ10日~30日後には価格がボトムに到達して、上昇相場に転じるというパターンが見えてくる。
それぞれの通貨で半減期後のボトムの価格を半減期通過時点と比較した下落率はビットコインでは16%、ライトコインでは11%、モナコインでは9%で下落率の平均は12%となった。
次回のビットコインの半減期前後の価格推移を過去の事例になぞらえてみると、仮に5月11日の半減期を6,000ドルで通過した場合、5月20日~5月30日の間に5,280ドル前後まで価格が下落し、この底値を起点として上昇相場に転じるということになる。
ただし、足元では懸念もある。半減期後にはマイニング(ビットコインの新規発行や取引処理などのネットワーク維持に必要な計算作業)の従事者が報酬として得るビットコインの量が半減するため、BTC価格がマイニングのコストに見合わなければマイニングの参加者が急減する。次の半減期を通過した後にBTC価格がマイニング従事者にとって十分な水準であるかが重要となる。半減期後の価格がマイニング従事者にとって不十分で従事者が急減した場合、ネットワークが不安定になって下落材料となる可能性もある。半減期前後には、値動きとともにマイニング関連の話題にも注意したい。
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