証券取引委員会(SEC)が投資家保護法違反の観点でPaxos社に対して執行措置を取る可能性を示す書簡「Wells Notice」を発行していることが報じられました。
Paxosは、ニューヨークを拠点とするブロックチェーンインフラストラクチャ企業で、ドルペッグのステーブルコイン$USDPや金で裏付けされた$PAXG、(Binanceと提携して)$BUSDの運営を行なっていることで知られています。
Paxosがユーザーに送信したとされるメールでは「当社は正確で最新の記録を保持することが求められている。残念ながら、現在、顧客の口座の維持はできない」と述べられており、7日以内に資金を引き出すよう求められていると一部ユーザーから報告されています。
元SECインターネット執行局長のジョン・リード・スターク氏は自身のTwitterで「SEC執行部に18年間在籍したが、Wells Noticeを出しても執行措置が取られなかったことは記憶にない」 とツイート。今後SECからPaxosへ取られる措置について見解を示しました。
Newsflash: SEC issues Wells Notice to Paxos informing Paxos of possible enforcement action. In my 18 years at SEC enforcement division, I can’t recall a time when I sent a Wells Notice and an enforcement action did not follow. SEC’s crypto-sweep continues! https://t.co/kItzSEcCUF
— John Reed Stark (@JohnReedStark) February 13, 2023
先日、SECが仮想通貨取引所Krakenを証券法をめぐって起訴していた件に関して、Kraken側が3000万ドルの罰金の支払い、同社が提供していたステーキングサービスの停止(米のみ)したことで和解したことが明らかとなりました。
関連:仮想通貨取引所Kraken、証券法めぐる起訴でSECと和解 | 米でのステーキングサービス終了へ
PaxosがBinanceと提携して手がけているステーブルコイン$BUSDの記事執筆時の時価総額は約2.1兆円です。
昨年9月、Binanceは、ユーザーの流動性と資本効率の向上を目的に$USDC、$USDP、$TUSDの3種類のステーブルコインを自動で$BUSDへ変換する仕組みを導入し、BUSD以外の複数のステーブルコインの取引ペア($BUSD以外)の提供を停止するなど$BUSDを中心とした運営方針を採用しています。
今後、SECとPaxos社の動向に注目が集まります。
「収束は良いこと」Circle社CEO、BinanceのBUSD統合に肯定的な姿勢示す
追記:2/13 18:00
ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)が、Paxosに対して$BUSDの新規発行を停止するよう命じているとWSJが報じました。
Binance CEOのCZ氏は自身のTwitterで、2023年のルールとして以前掲げていた「 FUD、フェイクニュース、攻撃などを無視する」といった内容を再度言及しています。
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