マティックネットワーク(Matic Network)は、Plasmaフレームワークと分散証明ネットワーク(PoS:Proof-of-Stake)のバリデータ(定義済プログラム)を使用し、資産のセキュリティーを確保しながら、オフチェーン処理にサイドチェーンを利用することで大規模な処理を達成可能とするレイヤー2と呼ばれるスケーリングソリューションです
◇マティックネットワークの概要
ティッカーシンボル | MATIC |
IEO価格 | $0.00263 USD |
循環供給量 | 32億3008万5551 (~32.30% of Total Supply) |
総供給量 | 100億MATIC |
公式サイト | https://www.matic.network/ |
プロジェクト概要
マティックネットワークは、支払い取引だけでなく一般化されたオフチェーンのスマートコントラクトに対しても迅速で簡単かつ安全なオフチェーン取引を可能にするプロジェクトです。
マティックネットワークは、Plasma MVP(Minimum Viable Plasma)、WalletConnectプロトコル、および一般的なイーサリアムイベント通知エンジンであるDaggerの実装に取り組んできたイーサリアムエコシステムへ寄与する開発団体です。既に多くのプロジェクトがマティックによるアプリを構築しています。
2018年9月にテストネットを立ち上げ、内部で準備ができている高度なプレメインネットバージョンがあります。
まもなくネイティブのウォレットConnectをサポートした非常にユーザーフレンドリーなPlasmaウォレットをリリースし、デバイス間のdAppやサービスをトラストレス(ユーザーにおける承認の簡略化)で提供します。
基本理念は、dAppが中央集権型アプリによって提供されるユーザーエクスペリエンス(UX)と競争できるようにすることです。
◆主な機能
スケーラビリティ:サイドチェーン上での高速、低コスト、および安全なトランザクション、メインチェーンとイーサリアムで、最初の互換性のあるレイヤー1ベースチェーンです。
高スループット:内部テストネットのサイドチェーンで最大7000TPSを達成。
ユーザーエクスペリエンス(UX):メインチェーンからマティックチェーンまでスムーズなUXと開発者のアブストラクト( ネイティブのモバイルアプリとウォレットConnectをサポートするSDK)
セキュリティー:マチックチェーンオペレーター(デベロッパー)は、その時点でPoS(Proof-of-Stake)システムステーカー(参加者)となります。
パブリックサイドチェーン:Maticサイドチェーンは(個々のdAppチェーンに対して)本質的にパブリックであり、非許可型(permission–less)であり、複数のプロトコルをサポートすることができます。
ミッション
dAppの普及に対するトランザクションの需要を満たすことができるスループットを、Plasmaによるレイヤー2スケーリングソリューションを作成することです。
特徴
マティックは、レイヤー2に対する技術的なアプローチと、さまざまなユースケースに対するサポートが特徴です。
Matic Layer2は、アカウントベースのMoreVP(More Viable Plasma)の一種です。
Plasmaフレームワークは、メインチェーン上の資産(Ethereum用のERC-20およびERC-721トークンなど)のセキュリティーを保証するために使用されます。しかし、一般的な取引はTendermint上に構築されたプルーフオブステーク(PoS)ネットワークによって保護されます。
サイドチェーンは本質的にEVM-enabledのチェーンであり、堅実なスマートコントラクトを容易に展開するのに役立ち、本質的にEthereum開発者が「dApp /プロトコル」スケーリングを構築できるツールとなります。
また商業的には、イーサリアムエコシステムで利用可能な多くの分散型ファイナンス(DeFi)プロトコルをサポートする構造となっています。
イーサリアムはマティックがサポートする最初のベースチェーンですが、マティックはコミュニティーの提案や合意に基づいて追加のベースチェーンのサポートを提供し、相互運用可能な分散型レイヤー2ブロックチェーンプラットフォームを実現する予定です。
トークンの概要と使用例
マティックトークンには、3つの主な使用例があります。
Proof of Stake合意に参加する
サイドチェーンは、検証者としてプルーフオブステークレイヤーを使用して合意形成し、そのネットワーク参加者がトークンを共有します。
ネットワークでの取引手数料の支払い
サイドチェーンの取引手数料は、トークンで支払われます。 アプリを使用するユーザーが増えれば増えるほど、取引量が増え、取引手数料も増えます。
Livepeerとそのprotocol funding the ecosystemモデルから発想を得て、マティックエコシステムプロジェクトをサポートするための別のステーク機能を可能にする予定です。
これは、ブロック報酬の一部を得るためにネットワークが必要とする機能やdAppに取り組んでいる開発者を支援するため、ブロック報酬から資金を生み出すことです。このメカニズムは、取引手数料の一部をプロトコル内で留保することによって資金を蓄えます。
ロードマップと アップロード
2019年第1四半期までに、マティック上に構築されたプロジェクトは以下の通りです。
- ・使い捨て型ウォレットを使用して、dAppにユーザーをオンボーディングするための「Burner wallet」を実装。
- ・ゲームプラットフォーム
- NFT資産の市場
- VRゲーム
- 交換所の告知
最新のロードマップ
2019年第2四半期
- •Matic Network メインネットのリリース(α版)
- アルファ版のマティックPlasma実装し、イーサリアムベースの資産の入出金を許可する
- •Plasma- テストネット上のERC721-ERC20、ERC20-ERC20、ERC721-ERC721での資産間のスワップ
- プルーフオブステーク(PoS)承認機能の実装
- dApps開発者プログラム
- マティックWallet – dApp用のWalletConnect(Ethereum&Matic Networkトランザクション)
2019年第3四半期
- •メインネットのリリース(β版)
- •Plasma- メインネットでの資産スワップ(ERC721-ERC20、ERC20-ERC20、ERC721-ERC721)のサポート
- •一般的なスマートコントラクトのサポート(PoS保証付き)
- •Plasma Fastexitテストネットでの実装
- •Plasma監視ノード
2019年第4四半期および2020年第1四半期
- •メインネットのリリース
- •メインネット上のPlasma Fast exitを提供
- •Transaction relay pool(ETHなしでのトランザクションを実行) – EthereumからMaticへの資産等の移動を容易にする
- •一般的なスマートコントラクトのサポート(Plasma 保証付き) – 概念実証
- Plasma – EthereumアセットのNFT(Non-Fungible Token)マーケットプレイスプラットフォームのリリース
業務提携および事業開発の進捗
マティックは、既にいくつかのブロックチェーンプロジェクトと提携しています。
Decentraland:DecentralandはEthereumブロックチェーンを搭載した仮想現実プラットフォームです。
ユーザーは、あらゆるプラットフォーム(すべてのVRヘッドセットおよびWebブラウザ)で動作し、仮想環境およびアプリケーションを作成するように設計された開発者ツールキットを使用し、コンテンツおよびアプリケーションを作成、体験、および収益化できます。
マティックとのコラボレートで、仮想世界でのユーザーとのやり取りの結果として発生するトランザクションを処理します。 これには、支払い、NFTの売上、最終的には一般的なゲーム状況やその他のデータも含まれます。
Quarkchain:QuarkChainは、安全で分散化されたスケーラブルなブロックチェーンソリューションを提供することを目的とした、革新的なパーミッションレス型ブロックチェーンアーキテクチャです。
マティックとQuarkchainは、Quarkchain上でPlasmaサイドチェーンソリューションを研究開発することにより、layer 2スケーリングの研究に役立ちます。また、QuarkchainのためにDaggerやMobile Wallet機能などの通知サービスを構築するためにQuarkchainと協力します。
Ankr Network:Ankrは、データセンターやエッジデバイスでアイドル状態のコンピューティングリソースを活用することを目的とした分散コンピューティングプラットフォームです。
マティックはAnkrと共同で、マティックネットワーク上での分散アプリケーション開発のための分散クラウドコンピューティングサービスを提供できる分散型Web3.0stackの構築を検討します。
Portis:Portisは、「普通の」アプリを使うのと同じくらい簡単に、世界中の誰もが分散型アプリケーションを使えるようにしたいと考えるテクノロジー会社です。
マティックは、Portisを使用してこれらのdAppのスケールとユーザーエクスペリエンスを向上させることを支援するためにPortisと協力しています。
Maker DAO:Makerは、DAI Stablecoinの背後にある組織です。
マティックのサイドチェーンでDAIを使用するdAppの開発チームと共同で研究開発、支援しています。 DAIは、マティックサイドチェーンの最初のERC-20トークンとして統合する予定です。
Ripio Credit Network:Ripio Credit Network(RCN)は、世界中のどこにいても貸し手と借り手を結ぶピアツーピア(P2P)のクレジットネットワークです。
Plasmaサイドチェーンによる少額融資を実現します。マティックとRCNは、NFT (Non-Fungible Token)のexitがRCNプラットフォームのローンの担保として使用される高速なPlasma Exitも研究しています。