この度は電縁のイノベーションオフィスの室長を務める吉田健一氏、アドバイザーを務める三宅俊也氏の二名にインタビューを行いました。電縁は最近ブロックチェーン事業の再構築を行っており、新たにHash Hub、Librus、LCNEM、orb、フレセッツ、spoon、Enbowl、Bassetと提携を締結しました。新しいサービス、今後のビジョン、他国のブロックチェーン事情など、様々なお話を伺いました。
―コイン東京
本日はよろしくおねがいします。
吉田さんの自己紹介からお願いできますでしょうか。
―吉田さん
株式会社電縁でイノベーションオフィスの室長を務めている吉田と申します。新技術の社内取り込みや、社内の課題解決など、会社の「なんでも屋」といった感じですかね。他には新規事業の立ち上げなども行っています。あと漫才をやることもあります(笑)
―コイン東京
漫才も・・・本当に色々やるのですね(笑)
ブロックチェーン事業への参入はどのような経緯だったのでしょうか。
―吉田さん
2015年末ぐらいですかね。当時の親会社がJBA(日本ブロックチェーン協会)の立ち上げに加わることになったのですが、その流れで「電縁もブロックチェーン事業をやりませんか?」と言われたのがきっかけですね。
電縁は開発事業を主に行っていたので、実証実験系と相性がいいのではないかと考え、社内エンジニアの育成を行い、他社が行う実証実験を手伝うという方向性になりました。
―コイン東京
そうだったのですね。今回、電縁はブロックチェーン事業に関する「リブランディング・新サービスの発表」を行ったのですが、どういった経緯でしょうか。
―吉田さん
今まではブロックチェーン事業に関しては、基本的には僕と役員の2人のリソースを割きつつ、若手社員やインターンなどを使って進めていました。実証実験や研究開発を行なっていた形です。3年程前は検索サイトで「ブロックチェーン システム開発」と検索すると、一番上に表示されていたこともあり、問い合わせもボチボチいただいていました。
また、去年ぐらいから個人的にBlockBaseさんやクリプトスペルズのお手伝いなどもやっていました。
弊社は親会社が大きく、取引パートナーにCTCがあることなどで、業務システムの開発案件は安定しているのです。なので、逆説的に言えば新規事業への依存度は低かったのです。しかし、ブロックチェーン業界が盛り上がって来ていて、個人的にもっと深くかかわりたい、そしてアドバイザーに就任してくれた三宅氏と意気投合したこともあり、この分野に本腰を入れようと思いました。
―コイン東京
10月に入ってからHash Hub、Librus、LCN EM、orb、フレセッツとの提携も発表されていて勢いを感じますね。ちなみにですが、電縁が始める新しいサービスというのはどういったものなのでしょうか。
―吉田さん
簡単に言ってしまえば、PoC、実証実験の一括パッケージといったものですね。
ブロックチェーンに興味はあるけど、知識は一切ないような企業さんにコンサルから入り、運用やレポート作成、プロモーションといった所までサポートします。他にも、パートナー企業との協業で、国内海外問わず仮想通貨取引所に対する業務支援を行うサービスとなっています。ブロックチェーンに対する教育コンテンツも用意したのでそちらの運用も考えています。
参考:https://denen-bc.studio.design/
―コイン東京
電縁さんの強みはどういった部分になると思いますか。
―吉田さん
開発全般の話で言えば、電縁はシステム開発で20年ほどの実績を持っているという部分が一番大きな強みですね。他にもCTCの認定パートナーになっていたり、ISMSとPマークを取得して業務セキュリティにも気を配っています。
―コイン東京
月並みな質問になってしますのですが、吉田さんが考えるブロックチェーン技術の魅力はどういった部分になるのでしょう
―吉田さん
私個人としてはパブリックな部分に興味を持っています。勤め人なのであまり大きな声では言えませんが、いわゆる反体制的な特徴、極論ですが個人同士が力を合わせることで一つの国が作れるようなコンセプトを気に入っています。ビジネスでやるとコンソーシアムやプライベートという部分にどうしても注目されがちなのですが、パブリックの分野も一つの大きな魅力だと思っているので、ゆくゆくはそっちの事業もやってみたいなと考えています。
―コイン東京
ありがとうございました。
それでは続いて三宅さんのお話に移っていきたいと思うのですが、まず簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか。
―三宅さん
電縁のアドバイザーに就任した三宅です。過去の二度の起業経験がありまして、リクルート、SaaŞのスタートアップを経て、BTCBOXに入社しました。過去に仮想通貨メディアやマイニング事業の立ち上げの経験もあり、現在はいくつかのブロックチェーンスタートアップのアドバイザーをしています。
名前を出せるものでは、クリプトスペルズというブロックチェーンゲームのアドバイザーをしています。今後は海外展開なども考えておりますので皆様是非遊んでみてください。そして先日電縁と提携したLibrusもアドバイザーをしております。元金融システム開発会社のCTOも参画していて、金融の開発に強い会社です。
電縁ではマネタイズ、コンサル、PLの確認など、アドバイザーではありますが事業部長のような形でやらせてもらっています。今日の午前中もテレマをやっていましたからね(笑)
―吉田さん
テレマまでやってくれるアドバイザーは日本中を探してもなかなかいないと思いますね(笑)
―コイン東京
開発以外の部分は三宅さんが担当されているのですね。
三宅さんには少し系統の違う質問をしたいと思います。いろいろと海外を飛び回られていると思うのですが、現在の日本のブロックチェーン業界に対してどういった印象をお持ちでしょうか。
―三宅さん
Twitterでも昔から言っていることではあるのですが、まず日本で出回っている情報はあまりにも遅れすぎています。あんまり大きな声では言えませんが、連日のように開かれているブロックチェーン関係のイベントも同じような話ばかりで、あまり為になるとは思えません。
そもそもブロックチェーンはもっとグローバルな技術だと思っているので、日本人だけのチームや、日本語でしかコミュニケーションをとることができないチームでは、目覚ましい発展を遂げることはできないと思っています。
―コイン東京
三宅さんが注目している国や地域などはございますか。
―三宅さん
ブロックチェーンというくくりで見れば中国が面白いのではないかと思っています。中国は確かに規制が厳しいですが、それ以上に様々な新しい技術が生まれており、日々進化を続けています。ここ最近になって、日本でも「中国ってすごい」という論調が出てきましたが正直遅いなと(笑)
―コイン東京
中国と日本の差というのは何処から生まれたのでしょうか
―三宅さん
国に根付いているカルチャーからですかね。中国は、国自体がブロックチェーン技術の実証実験をやっていますからね。
昨今、個人情報の流出が時折起こるので、様々な人が個人情報を外部に漏らさないよう保護することを望んでいますが、個人情報自体はしっかりと管理してくれる企業ないし団体があれば外部にあっても良いと思っています。銀行などはまさにそういうものですからね。
個人情報を完全にクローズしてしまうと、せっかくのブロックチェーンを用いたサービスの幅が狭まってしまうので、中国のように個人情報は洩れるものとして設計されている方が良いのではないかと思います。
―コイン東京
情報に対する根本的な考えの違いがあるのですね。シンガポールによく行くというのはどういったご事情があったのでしょうか。
―三宅さん
pocと、取引所の営業とそして自身でもシンガポールで会社を作る準備をしてます。
―コイン東京
ありがとうございます。
それでは最後にお二人が持つ今後のビジョンを教えて頂けますでしょうか。
―吉田さん
イノベーションオフィスの活動にも繋がるのですが、ただの受託開発はあまり面白くないと思っています。もちろんクライアント次第にもなるのですが、受託だけだと新人が言われた雑務だけしかできなくて、「3年たっても開発スキルを身に着けられない」という人が出てしまうんです。そして、若い人材は辞めてしまいます。そういったところも改善したいですね。
まだ私たちの活動は始まったばかりですが、少しずつ実績を重ね案件を増やしていくことで、社内の誰もが楽しく新技術を用いた開発に携われるような環境を構築していきたいと考えています。
―三宅さん
個人的には既存の古臭くなった金融のシステムをアップデートできるように動いていきたいと考えています。失敗しようが成功しようが行動したいです。結果を重視したいです。
―コイン東京
お二人ともありがとうございました!
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