日々、コロナ感染者の増加と死亡率を眺めているのですが、30日時点において英国は感染者数2万2141人に対して、回復者135人、死亡者1408人と、回復者数よりも圧倒的に死亡者の方が多くなっています。

※イタリアは、感染者数10万1739人、回復者数1万4620人、死亡者数1万1591人

感染が拡大するなか、これは誤差程度のものなのか、とも考えてしまいます。

また、オランダが3倍とスウェーデンが9倍と回復者よりも死亡者のほうが圧倒的に多くなっています。その他の国では、日本同様(回復者数1027人、死亡者数70人)に、回復者のほうが圧倒的に多くなっています。

参考:地図とグラフで見る新型コロナウイルスの感染者数(ロイター)

イタリア、スペイン、英国、オランダ、スウェーデンでは、L型コロナウィルスが蔓延している可能性が高そうです。また欧州のなかでもEUのGDPを支えている主要国が多く、中長期的にみてもとてもじゃないですが、ユーロという通貨が存続できるとは思えなくなっています。

筆者が都内の飲食店に立ち寄った際、会計時に売上がどれぐらい減少しているのかと聞いているのですが、その回答はだいたい4〜6割という結果となっています。既に半減してしまっているのです。

あくまで仮の話ですが、4月からロックダウンなんてことになりますと、多くの飲食店の経営が更に厳しくなりそうです。こうなると、大規模な金融緩和を行っても焼け石に水といった感じがします。

どこの国も個人消費や小売り売上高がGDPの60〜70%を占めており、ここの半減がGDPに直撃してきます。4月になると、3月の経済指標が続々と出てきますので、そこでコロナショックの影響がはっきりとわかるため要注目です。

先日発表された、米国の新規失業者数申請件数などは328万件となり、市場予想の110万件を(前週は28.2万件)はるかに上回る数値となりました。

参考:米・新規失業保険申請者数予想は110万件!!イタリアは医療機関が持たないか?

▼日本・2月小売業販売額(前年比)

前回:-0.4%
予想:-1.5%
結果:1.7%

また30日に、サウジ系のファンドが原油価格の下落により現金化がさらに加速するだろうという記事がロイターから出ており、世界中で保有している株式と債券を売り始めているそうです。その額は20兆円を超えるとの試算が出ており、売り圧力のインパクトは強烈なものとなるでしょう。既に大きく下落している株式市場も、まだまだ先行きは厳しそうです。

今回のショックで、どのタイミングで倒産やデフォルトが起こり始めるのか、また負の連鎖反応が始まりはしないかと非常に心配です。

イタリア国債の価格下落が目立っており、一時利回りは2.4%に達するほどとなっています。また、住宅ローンのデフォルト率が上昇するような事態になると、金融機関が貸し出しに慎重になり、大型消費の冷え込みが加速してしまいそうです。最初の新型コロナウイルの被害国である中国系企業の倒産や、または新興国のジャンク債あたりは間も無く焦げ付きはじめるのではないでしょうか。

参考までに、 米国のジャンク債のETFのチャートを掲載しておきますが、先日リーマン・ショック後の水準に達したことが分かります。

◇米国のジャンク債ETF(月足チャート)

出所:HIGH YIELD CORPORATE BOND ETF(トレーディングビュー)

筆者は相場を静観しており、個人投資家の皆様はキャッシュポジションを多めにしておくのが良いでしょう。