ビットコインが530万円を突破し、その時価総額が100兆円を超えました。過去1年から5倍以上の増加となります。

金融市場で100兆円以上の時価総額となると、商品市場ではゴールドとシルバー、株式市場では、アップルにアマゾン、マイクロソフト、サウジアラムコにグーグルのみとなります。

出所:Top Assets by Market Cap

▼ビットコインの時価総額の推移

出所:CMC 期間:2016/6~2021/2

仮想通貨市場全体の時価総額は、およそ160兆円。

ビットコインのドミナンス(占有率)は61%程度とビットコイン一強というわけではありません。

出所:CMC

イーサリアムが20兆円を超えており、テザーとポルカドットがそれぞれ3兆円程度あります。時価総額上位の顔ぶれが変わってきているなかで、カルダノがXRPを抜き5位に位置しているところは驚きです。

米国長期金利が相場変動のトリガーとなるか

1月16日の市場では、米国10年債〜30年債を中心とした長期金利が上昇しました。国債が売られている状況です。

債券市場は景気の先行きを鮮明に現してくれます。単に景気の善し悪しを反映するだけではなく、インフレになるかどうかの指標にもなります。今回はインフレ経済に向かっての上昇だと分析しており、これから金融政策引き締め期待や年後半から急激な物価上昇に備えた動きになることが予想されます。

2020年に行われた主要国の金融緩和の規模は10兆ドルにも上ります。これは物価の上昇を招く可能性が非常に高いでしょう。インフレヘッジとして認識されてきているビットコインには追い風ですが、従来買われていたゴールドがどのような動きとなるか注目です。

なかなか判断が難しいところですが、金利上昇によるドル買い相場となれば、一時的にビットコインは売られることになりそうです。しかし、テスラがビットコインの購入に踏み切り、インフラ整備も進んできていることから、断続的な大口投資家の購入は続くものとみています。高値から30%程度調整されると、テスラがビットコインを購入したと推測される350万円付近と一致します。

仮に急落が発生したとすると、そのレベルは非常に下げ止まりやすい価格なのではないでしょうか。

ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれるだけあって、非常に保管が便利です。

スマートフォンに保管することができ、国をまたいで移動させることもできるます。以前のようにハッキングされるリスクも低くなり、ウォレットを紛失してもサルベージできるようになってきています。

また、1日8兆円規模の取引高があり、多くの法定通貨と売買されていることから、換金性も高く、極めて低いコストで送金や両替機が可能です。今の長期金利の上昇から始まる仮想通貨相場が崩れてきた際には、 絶好の買い場となるのではないでしょうか。