みなさんは仮想通貨(暗号資産)の取引は、販売所と取引所のどちらで行っていますか?
投資を始めたばかりの人は販売所の方が多く、元々株式投資を行っているなど投資経験がある人は取引所で売買している人が多いのではないでしょうか。
販売所はスプレッド(売値と買値の差)が広いと言われています。そのため、投資経験者の多くは利用したがりません。
2月8日の調査によると、主要交換業者の販売所(現物とレバレッジ)のスプレッドは次の通りになっています。
▼現物取引
▼レバレッジ取引
これを見ると、非常にスプレッドが広いことが分かります。
ビットコインの2月8日の価格は410万円程度ですから、現物取引では4~6%のスプレッドが取引コストとなります。イーサリアムは3%~8%、XRPは4~19%という非常に広いスプレッドとなっています。
1番スプレッドの狭いフォビ・ジャパンで売買を行っても、1BTCを往復させると14万円近い取引コストが掛かる計算となります。
流動性の高いレバレッジ取引の方がスプレッドは狭い傾向にあり、GMOコインのビットコインでは0.05%程度です。ビットコインが120万円程度の時のスプレッドは380円~600円あたりを提示していたため、価格が上昇したことに連動したといえそうです。
スプレッドの中心が重要
販売所のスプレッドは、かなり広く取引コストが掛かることが理解できるかと思います。
一般的にスプレッドは市場価格を中心となることがほとんどです。つまり、ビットコインが400万円の時にスプレッドが20万円の場合は、買い値が410万円、売り値が390万円となります。
しかし、そうでない場合もあります。
例えば、2017年~2018年にはビットフライヤーのイーサリアムのスプレッドは、買値に寄っていました。つまり、買う場合は取引コストが高くなるものの、売る場合は安く済むということになります。これを利用して、他の交換業者でイーサリアムを購入し、ビットフライヤーへ送付。販売所で売却を行うアービトラージを行うトレーダーもいました。
取引所別の販売所のスプレッド傾向を確認していきましょう。
調査対象の仮想通貨は、ビットコイン、イーサリアム、XRPの3つとします。
価格は国内で取引高が一番ある交換業者のものとします。
調査日時:2月15日16時~17時
ビットコイン:498万円前後
イーサリアム:18万4000円前後
XRP:59.71前後
どの仮想通貨もスプレッドの中心に価格がある交換業者
●DMM Bitcoin
●GMOコイン
コインチェック
ビットコイン:1万円程度売値に偏り
イーサリアム:450円ほど買値に偏り
XRP:スプレッドの中心が価格
ビットフライヤー
ビットコイン:買値に大きく偏り。差額は3000円~1万円程度
イーサリアム:買値に大きく偏り。差額は600円程度
XRP: 買値に大きく偏り。差額は0.075円~0.1円程度
フォビ・ジャパン
ビットコイン:2万円程度買値に偏り
XRP:取引停止中
イーサリアム: スプレッドの中心が価格
SBI VCトレード
ビットコイン:1万円程度売値に偏り
イーサリアム:1500円ほど売値に偏り
XRP:1円ほど買値に偏り
結論
検証した結果、ビットフライヤーだけ市場価格と買値がほぼ同じようになるというスプレッドに偏りがあることが分かりました。
▼同時刻のスクリーンショット
販売所の利点としては、仮想通貨の売買の量に関わらず価格変動がないことです。
そのため、大口購入を行う場合はビットフライヤーを利用するとメリットが大きいといえそうです。