8月10日にPoly Networkがハッキングされ、6億ドルの資産流出被害を出した事件は、徐々に収束に向かっています。
今回の事件は、2018年1月にコインチェックで起きた約580億円分のネム(XEM)流出事件よりも金額が大きく仮想通貨(暗号資産)業界では過去最大の被害額となりました。
しかし、流出先のアドレスが特定されたこと、テザー社によるUSDTの凍結、そして有志で問題解決に向けて動いた人が多かったことから、相場の下落もわずか半日で済むこととなりました。
▼被害額の内訳
イーサリアム:約300億円
バイナンスコイン:約270億円
USDコイン:約90億円
テザー:約36億円
マティック:約6300円
・特定されているアドレス
ETH: 0xC8a65Fadf0e0dDAf421F28FEAb69Bf6E2E589963
BSC: 0x0D6e286A7cfD25E0c01fEe9756765D8033B32C71
早々に仮想通貨の逃がし先を失ったハッカーは、11日に盗んだ仮想通貨の返還を検討する旨のコメントを出しており、実際に今日までに6億ドルのうちの4割以上となる約2億6000万ドルが返還されているようです。
ハッカーの目的は、金銭ではなく技術を誇示するためだったと伝えるメディアもありますが、今のところそのような声明は出されていません。
なお、過去にはイーサリアムクラシックが交換業者から流出した後に返還されるという例もありました。
今回の事件で被害を受けたのは、交換業者ではなくDeFi(分散型金融)でした。今年に入ってDeFiでの被害は増加しており、バイナンス・スマート・チェーン(BSC)でのハッキング被害も起こっています。
交換業者の多くが資金の大半をコールドウォレットにするなど、セキュリティー対策を強化する一方で、預かり資産が約814億ドルにも上るDeFiが狙われやすくなっている状況のようです。
出所:defipulse
1年間で15倍以上に成長したDeFiのセキュリティー対策が進むことで、DeFiがより実用的な金融インフラとして機能を担い始め、金融取引のコスト低下につながるのではないでしょうか。