12月12日未明、インドのナレンドラ・モディ首相のツイッターアカウント(@narendramodi )が乗っ取られたようで、ビットコインを法定通貨として採用するといった内容のツイートが行われました。

「インドが公式にビットコインを法定通貨に採用した。500BTCを購入し国民に配る」

その後は、当日中にインド政府からアカウントは保護されたという発表がされています。またインド政府は、突如として行われたビットコインに関するツイートは「無視しなければならない」としています。

実は2020年9月にもモディ首相のツイッターアカウントはハッキングされており、今回で2度目となります。 同氏のアカウントのフォロワー数は7300万人以上もあり、その影響力はかなりあると思われます。

そのツイートの影響か、12月12日のビットコインは550万円から570万円へと上昇しました。

なお、インドは仮想通貨(暗号資産)に対して法的な位置付けが定められていません。しかし、仮想通貨に関する規制法案が国会に提出される見込みですが、年内は難しいようです。

12月10日に行われた米バイデン大統領が主催するバーチャルサミット「民主主義のためのサミット」では、モディ首相が仮想通貨のような新興技術について世界的な規範が必要だと発言しています。

規制法案では、規則に違反した個人や企業は、最大2億インドルピー(約3億円)の罰金と1年半の懲役を科せられる可能性があるそうです。一方で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルルピーを創設する法案も提出される見込みとなっています。

2019年にこの法案を起草したサブハッシュ・ガーグ氏は「民間の仮想通貨禁止は間違いだった」という考えを明かにしています。これを見ると、インドで仮想通貨の取引が合法化されることが法改正に向けてのレールに乗っていると考えることができ、そうなると市場に大きなポジティブなインパクトをもたらすことになりそうです。


仮想通貨規制といえば、5月に中国でのマイニングが完全に禁止されることが発表されたことは記憶に新しいでしょう。その影響で、ビットコインのハッシュレートは40%ほど大きく下落し、相場も低迷しました。

しかし、12月11日のビットコインの難易度調整では平均ハッシュレートは172.45 EH/sと、5月に中国でマイニング規制が行われて以来となる水準まで回復しました。

平均マイニング速度は9分16秒と、かなり高いハッシュレートであったことが分かります。

●ビットコインのハッシュレートの推移
出所:coinwarz

インドでは仮想通貨合法化は、コインベースの上場以上に大きなテーマとなる可能性があります。

2022年にビットコインが上昇するための材料として、インドの動向を追い続ける必要がありそうです。