5月はテラ(LUNA)ショックに大きく揺らいだ仮想通貨(暗号資産)市場ですが、今週に入り下落が一巡しており、落ち着きを取り戻しつつあります。
6月9日-12日に開催されるコンセンサス2022を前に、相場を下支えする好材料は出揃ってきています。
【直近相場の材料】
・BTCの難易度調整は2回連続プラス
・ハッシュレートは220EH/sと過去最高水準へ
・Coinsharesが暗号資産ファンドへの今年最大の資金流入
・大手金融機関が著名ヘッジファンドの元CEOが設立した仮想通貨プラットフォームに資本参加
・エルサルバドルでの国際会議に44カ国の当局者が参加予定
BTCの難易度調整
相場が大きく下落しましたが、驚くべきことに難易度調整は2回連続のプラスとなりました。春は世界的にマイニングが活発化する時期ですが、それが今年も訪れたということになります。
出所:BTC.com
平均マイニング速度は9分30秒前後となっており、非常に高いハッシュレートが続いたといえます。
テラショックにより、それらのネットワーク参加者のノードが移ってきた可能性も考えられます。
ハッシュレートが過去最高水準
ビットコインのハッシュレートは上昇し続けています。
相場が急落している5月2日に264EH/sを付けたこともあり、このあたりはビットコイン相場が年初来安値を割り込んだ価格帯で下げ止まった要因ではないでしょうか。
仮想通貨ファンドへの今年最大の資金流入
Coinsharesの調査によると、仮想通貨ファンドへの資産流入が、米国でビットコインETFが承認された2021年後半以降で最高となったと分かりました。
5月13日までの1週間で、2億7400万ドル(約356億円)の流入があったそうです。
180億ドルもあったステーブルコインTerraUSD(UST)の時価総額がほぼゼロになり、時価総額トップ10に位置していたテラ(LUNA)もほぼ無価値となった劇的な相場の中で、大口投資家が買い向かったことは明るい材料といえそうです。
大手金融機関が著名ヘッジファンドの元CEOが設立した仮想通貨プラットフォームに資本参加
欧州の著名ヘッジファンドであるプレバン・ハワードの元CEO、アラン・ハワード氏が設立した仮想通貨プラットフォームElwood Technologyにゴールドマン・サックスやバークレーズ銀行、コメルツ銀行などの大手金融機関が資本参加をする見通しだそうです。
2021年の調査によると、ブレバンハワード自体も仮想通貨への投資に積極的であり、ポートフォリオ全体の15%程度を仮想通貨に割り当てると回答していました。
エルサルバドルでの国際会議に44カ国の当局者が参加予定
今日、エルサルバドルでビットコイン導入による金融包摂に関する国際会議の開催が予定されています。ナジブ・ブケレ大統領によると、エジプトやバングラディッシュなどアジア・アフリカ・中南米を中心に44カ国もの当局者が出席を予定しているそうです。
先日ビットコインを法定通貨とすることを発表した中央アフリカのように、自国通貨が不安定な国がビットコインへの興味・関心が高まっていると考えられます。
また、本日時点でエルサルバドルが発行したビットコインシティー構想のために発行した10億ドル相当のビットコイン債の価値は3分の2ほどに下落しており、ブケレ大統領がどのような発言を行うのか注目が集まります。