毎朝、レポートを公開いる楽天ウォレット、シニアアナリストの松田康生氏に仮想通貨(暗号資産)相場展望を聞きました。
底打ちの可能性は高いものの買い材料不足
7月の相場にはいくつものヒントがありました。
FTXとバイナンスによる仮想通貨関連企業の救済。また、テスラのビットコイン売却や、イーサリアムマージ日程の決定。そして、ビットコインの難易度が3回連続のマイナス調整となり、6月の大底を示していると考えます。
もしもう一段の売りがあるとすれば、マイクロストラテジー社によるビットコインの売りか、台湾有事でしょう。しかし、これらが起こる可能性は極めて低いと考えています。
問題は、今のところ目立った買い材料がないところです。ただ、ブラックロックとコインベースの協業や欧州の大手ヘッジファンドであるブレバンハワード、モルガンスタンレーなどウォール街の仮想通貨への動きが活発化してきたため、いずれ本格上昇につながるのではないかと考えます。
イベントとしては、ジャクソンホールと9月の米消費者物価指数(CPI)が注目されます。9月のレイバーデイ(9/5)明けと、その翌週辺りは相場の潮目が変わりやすいため注意しておいた方が良いでしょう。
9月19日に予定されているイーサリアムのマージも注目です。
マイナーがETCにマイニングに移行するのか。または、ハードフォークしてディフィカルティボム(マイニングの難易度を上げること)を無効化して、ETHPoWを続けようとする動きもあるようです。
もしくは、ETHの発行が少なくなりEIP1559(昨年8月のアップデート)の時の様に大きく価格が上昇すると予想している人もいるようです。